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アリアンロッドのコツ(ふぃあ通2018年12月の「鈴吹太郎のGM講座」まとめ)
FEARが毎月配信しているWEBラジオ「ふぃあ通」(http://www.fear.co.jp/radio/fearradio.htm)に「鈴吹太郎のGM講座」というコーナーがある。
鈴吹社長が講師となり、きくたけ先生やゲストの方を交えてGM講座をするコーナーだ。

ここ数回は個別ゲーム特集。
本来は前回の予定だったが、三枝チャージ先生がゲストだったので繰り越されて、
今回は「アリアンロッド」がテーマ。
まあ、きくたけ先生はいつでもいるからね(笑)。
ちなみに今回のゲストは遠藤先生です。

募集期間が長かったからなのか、遊ぶユーザーが多いからなのか、質問が大量に来たとのこと。
きくたけ先生チョイスで特徴的なものが選ばれていきました。








●質問1「さいころの目を偽ったり、敵データをセッション中に変更することはありますか?」
小暮さん「さいころの目を偽らなくても、おいしい目出るんで」

遠藤先生「基本オープンダイスなので、偽れない」
社長「きくたけ先生はオープンダイスの習慣だよね。FEARのゲームはオープンが多い」
遠藤先生「TRPG始めたときはD&Dしかなかったので、スクリーンの裏でふってダイス目を変えてもいいし、ダミーのダイスを振るのがテクニックだった」

きくたけ先生「敵データをセッション中に変えることありますか?」
遠藤先生「実際ある。あっけなく終わっちゃいそうなときとか、あと、MPも厳密に管理してないことも多いですし」
社長「データ管理しなくていいようにするスキルをわざわざ作ったりするしね」
遠藤先生「面倒なのが、命中と回避がばれちゃうんですよね」
社長「あ、それは俺逆に教えちゃうな。ダメージも最初に教えちゃう」
きくたけ先生「俺は、1回目だけは『何が来るかわからない』状態で受けてもらって、その後教える」
社長「一応自分の中でロジックはあって、『熟練の冒険者だから、攻撃が来た時、当たった時にどれぐらいのダメージか予想ができる』という理屈」
社長「(自分は)きくたけ先生と比べて戦闘を早くしたがる癖がある。1回受けて作戦会議っていうのが遅いと感じる」
社長「だから、敵データはあんまりいじらない。だけど、HPだけは別。攻撃を受けながら、ああ、これぐらいで倒れそうだなといくつかある条件の中から決める」
社長「ただね。俺のゲームはHPがいくつになるって決まってるゲームしか作ってないんですよ(苦笑)。だからその場でHPいじれないんですよ。今更ながらなんでこんなことしたんだろうと思う」
遠藤「だから、HPに下駄吐かせる特技ありますもんね」
社長「そう、(倒した時にもらえる)経験値増えるやつね」

きくたけ先生「基本的に社長と一緒。HPはやっぱりいじります」
きくたけ先生「でも時と場合によって違う」
きくたけ先生「セッション前にデータ集めたときに、『あ、これぐらいのダメージ出そうだな。それならこれぐらいHPあったほうがいいな』といじることはよくある」
きくたけ先生「カジュアルセッションのときは、セッション始まってから、ダイス目で活躍したりしなかったりがあるので、それで調整することもあります」
きくたけ先生「リプレイのときは、逆にいじりません。ダイス目で一喜一憂してどうしようか、ってところも記事にしたいので」
きくたけ先生「『(主人公とかが)俺の攻撃で終わらねぇ!』っていうのもそれは面白い記事になるので」
きくたけ先生「あんまりこそこそすると、PLが『今の実はあたってたんじゃね』とか勘繰るようになってしまって面白さが減ってしまうと思う」
きくたけ先生「だからゲーム全部オープンダイスなんだよ」
きくたけ先生「出た目を『これがいかに面白いものか』っていうのが好き」


●質問2「普通の防具に普通のプロテクションとカバーリングをかぶせるだけで全然攻撃が通りません」
きくたけ先生「……(ためて)……あるね(笑)。まず社長から」

社長「回答としては多分期待と違うんですが、、、」
社長「開き直って、PCは強いのだと考える。アリアンロッドはそういうゲームだと」
社長「攻撃が通らなかったら『くそー、とおらねえ』『プロテクション良い目出しやがって』と思い切り悔しがってあげる」
社長「そういう強さを堪能してもらうゲーム」
社長「『さっきは通らなかったから、これだけスキル使ってこれで殺すぞ!』『あー、だめだった!』とやるゲーム」
社長「予想はしてても、そういうリアクションをする」

社長「(アリアンは)PC強くなるんですよ。特にプライベートとかでゲーマーがガチにデータを組むと」
社長「それに合わせてダメージを強化するのは、あんまり好みじゃない」
社長「仕掛けとかを作ったりすることもありますが、単純にダメージをあげない」
きくたけ社長「PC無双してもいいじゃないか、と?」
社長「そうそう」

遠藤先生「質問の意図を想像すると、戦闘していてGMが楽しくない、ってことなのかな、と」
遠藤先生「社長のようにPLを上げることを楽しみにするやり方もありますよね」
遠藤先生「俺もダイス目が悪い時はそういうやり方します。悔しがるロールプレイをして、PLを盛り上げる」
遠藤先生「GMが蹂躙したいって思うと、ぶっちゃけTRPGって簡単なんですよね。GMだから」

社長「質問の意図は、PCが死にそうな方がみんな真剣になるから、そうしたいってことじゃないのかな」
きくたけ先生「毎回無双しても困る(笑)」
社長「だからバランスのいい戦闘がしたい」

遠藤先生「そういう場合によくやるのは『無敵貫通』ですね」
社長「アリアンロッドには貫通ダメージがあるもんね」

社長「ちょっと与太話を。プライベートで最後25レベルぐらいの敵を倒すキャンペーンの最後から2番目の話」
社長「『物理無効、魔法無効』の敵幹部がいて、その時は倒せないから、一度撤退して最終話にギミックを解除する、となる予定だった」
社長「ただ、そのときパーティに貫通ダメージを持つPCがいた」
社長「GMに確認したら『貫通ダメージは物理無効も魔法無効も無視して通るね』となった」
社長「ただ、貫通ダメージだから当然ダメージはそんなに出ない。サブアタッカー的なPCだったし」
社長「てことでGMと相談して、数ラウンドだけやってみようか、となった」
社長「戦闘始まった後にウォーリアたちが面白がって『お前のことを命をかけて守る!』と言い出した(笑)」
社長「それにプリーストも乗ってきて、3ラウンドぐらい戦ったところでGMから『このままだと12ラウンドぐらいで倒されてしまう。それは困るので、勘弁してくれ』と言い出した(笑)」
社長「それで貫通ダメージ持つPLも面白がって『なんだと?! 俺の魔法でも物理でもない攻撃が効かない! だめだ、撤退しよう!』とみんな盛り上がった(一同爆笑)」
社長「そのGMは、バランスのいい戦闘は諦めてました。大体成長したときにGMの想定の一回り上のことができるようになっていくので」
社長「バランスは諦める代わりに、強すぎて全滅させてもリカバリする手段は作るし、弱すぎてもかっこいい台詞とかギミックとかで面白く魅せることはできる、と」
社長「もう20レベル超えるとバランスなんてわからんと投げてて、『結果どうなるかわからん』て(笑)」

きくたけ先生「生徒が優秀すぎて言うことがない(笑)」
えまさん「でもまとめてもらわないと(笑)」
きくたけ先生「あえて加えるなら、キャラメイクとか成長のときとかに絶対休憩をとる」
きくたけ先生「休憩中に成長したデータを見て、物理防御と魔法防御とプロテクションとかカバーリングとかの防御能力を見る」

遠藤先生「弱い敵をたくさん出すとかは?」
社長「アリアンロッドってたまにゴブリンたくさん出すと、結構全滅しちゃう(笑)」
きくたけ先生「ゴブリンの数だけダメージが増えるから(笑)」
社長「あと、だれてきちゃうんだよね」
遠藤先生「なるほど」

社長「強い敵を出して困らせるのが目的じゃない」
社長「セッションに変化をつけるのが目的。『強い敵』とか『数が多い』とか、そういう工夫に対応するのが楽しい」

きくたけ先生「基本的にGM側は『倒してほしい』と考えてる」
きくたけ先生「だから、もしPLがGMの予想外の戦略組んで強くっても問題ない。お前たちがこんなに強いとは、ってロールプレイする」
きくたけ先生「逆にGM側が強かったら、GMも一緒になってPCのデータ見て、どうしたら勝てるかを一緒に考える。そういうヒントを与えることもある」

きくたけ先生「あとアリアンの場合、想像するよりも一回り強い敵を出しても大丈夫。PCが全力を出せば大抵なんとかなる」
社長「あと数を1体多く出すとか簡単ですね」
きくたけ先生「全滅しない限りはなんとかなるので、いってみようの気持ちで」


●質問3「ヒューリン以外の異種族婚で子供は生まれるのか?」
きくたけ先生「エクスマキナと妖精で結婚したりとか、そういう極端な例ですかね」

社長「デザイナーのきくたけ先生が最後にちゃんとしたこと言うので、わたしが(アリアンのデータ面のデザイナーである)久保田先生に聞いてきました」
社長「データ的には存在しません。『血が混じっている』というデータは存在しません」
社長「ただ、設定的に言えるかどうかは、、、全部言えない」
社長「種族を多く作りすぎたので、その組み合わせは膨大な数になってしまっていちいちオフィシャルで回答するのが不可能なのでしません」
社長「なので各卓のGMが決めてください」
社長「ということでした」

社長「ちなみにわたしの考えは」
社長「現代日本の東京に住んでいる我々は生物学的に子供ができるということを知ってるけれど、ファンタジー世界エリンで『子供がどうできるのか』という設定はない」
社長「もしかしたら愛さえあればコウノトリが子供を運んでくるのかもしれない。それが面白いなら、それでいいじゃない、と思います」
きくたけ先生「そこまで言ったら俺の言うことないじゃないかよ!(一同笑)」

遠藤先生「PLが、ハーフという裏付けデータが欲しいなら別なんですけど、、、設定として作るのはOK?」
社長「GMがOKしたら」
きくたけ先生「あと卓の面子が全員納得したら、かな」

きくたけ先生「何も言うことがないんですが(笑)」
きくたけ先生「GMの使命は、PLを楽しませること。なので、PLたちの納得できない、意識のすり合わせができない状態は避けた方がいい」
きくたけ先生「共通認識が持てれば、種族の問題もそうだし、データの問題もそう」
きくたけ先生「公式設定でこう、ってなってもそれで卓が面白くならないならゲームやる意味がない」

●まとめ
きくたけ先生「他にも『ボスとして使いたい敵がいるんだけど、データが強すぎて困る』みたいなデータ的な質問がたくさんあったが」
きくたけ先生「どうしたらPLが楽しめるか、という視点で考えてくれれば何が最善手が見えてくると思う」
社長「NOVAに比べてデータ的な質問、戦闘バランスの質問がとても多かった」
きくたけ先生「まあ、数値ゲームですからね(苦笑)」
社長「あと、『エネミーガイドは出ないんですか』という質問が多かった(笑)」
社長「我々としても出したくて色々と動いてるんですが、大人の事情があってなかなか出せません」
社長「我々よりも、角川とかドラゴンブックのTwitterとか、そっちにお便りをお願いします(笑)」

以上、アリアンロッド編のまとめでした。
どれも面白い質問ばっかりでした。

ルールをなるべく厳密に運用したそうなデータゲームのアリアンロッドで公式がきちんと
「データもルールも(GM含む)プレイヤーが楽しむためにある」と宣言されたのが一番印象的でした。

オープンダイスとかクローズダイスとか、
敵データいじるかどうかとか、
オリジナルデータがあった方が良いかとか、
どれも全部「楽しむため」なら公式をいくら改変したって問題ないわけですよね。

……ただまあ最近はセッションの内容をブログで書いたり、動画が配信されたりすることもあるので
「卓の参加者だけが楽しめればOK」というよりは
「卓のログを見る人も含めて、不快感を覚えないようにしたい」という感覚があるのかもなー、なんて。
そうすると「公式がこうだから」というのはとても強い後ろ盾、納得感になるので、
そういうお便りが多くなりがちなのかなーなんて思います。


さて、次回はまだ調整中らしいですが、
「コードレイヤード」ですよ!

完全に私事ですが、よくキャンペーンをやっていたアリアンロッドを挟んで
現在進行形でキャンペーンをやっているマージナルヒーローズとコードレイヤードが特集されたらとっても嬉しい!

次回も楽しみに待ちたいと思います。



by phirosu2 | 2019-01-16 06:31 | TRPG雑感 | Comments(0)
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