【TRPG感想】 先日はTSさんがGMのクトゥルフ神話TRPG(注1)でした。 久々のTSさんからの誘いに応じてみると、コンベンションで知り合った人とセッションするのに面子が足りないからフィロスを召喚したいとのこと。 望むところですよ! にしてもやはり最近のトレンドはクトゥルフ神話なんですかねぇ。 初対面の面子と慣れないシステムにちょっと緊張しつつも挑んできました。 あ、ちなみに今回のシナリオは何かに乗ってるサンプルシナリオらしいので、ネタバレを気にする方はご注意ください。 ◆キャラクター紹介 ■名前(PL名):田口頼朝(タグチ・ヨリトモ)(リコ) 性別/年齢/種族:男/28/人間 クラス:医者 ゲーム的特徴: クトゥルフ神話TRPGに最近のゲームみたいな「クラス」は存在しないんですが、キャラメイク時に選ぶと技能選択を簡単にしてくれる職業セットみたいのがあって、それがわかりやすいので代用。 田口さんは、研究所に勤める新米医師ってことになりました。 精神分析やら医学というこのゲームの肝を担ってるPCですね。 今回、正気度判定がほぼ成功してたんで奇しくもあまり活躍はしませんでしたが、地味に負ったダメージを回復してくれるのは重要なポジションだったと思います。 ロール的特徴: 気弱な好青年って感じだったかなー。 あ、でもPLさんが積極的に調査をするタイプだったので、新しく職場にしたところで事件が起こってしまう巻き込まれ型でも、頑張って調査してました。 ああいうタイプは今後も事件に巻き込まれて苦労するタイプだ(笑)。 その他: 普段はオンラインが主とおっしゃっていたクトゥルフベテランっぽい感じでした。 でもデータ特化というよりも世界観特化という感じかしら? 戦闘データよりも、キャラクターの雰囲気づくりに熱心でした。 また機会があればぜひともご一緒したいですね。 ■名前(PL名):近藤一(コンドウ・ハジメ)(ダイ) 性別/年齢/種族:男/38/人間 クラス:探偵 ゲーム的特徴: とある研究所の親会社から監査を指示された探偵。 最初は事件にびびっていたが、後半探偵としての戦闘力を遺憾なく発揮してくれました。 ロール的特徴: あんまりロールは盛んではない感じ。 といっても真面目な大人でした。 表向きの仕事と探偵としての仕事と探索者としての仕事を使い分けてる感じかなー。 まあ、結局は同じなのだけれど。 その他: クトゥルフ神話の経験もそこそこ、中堅っぽい感じでした。 リプレイばっかり読んでるフィロスより実プレイ経験の方が大事ですよ!(笑) もっとたくさんゲームをして成長していきそうな雰囲気でした。 またゲームしましょうね! ■名前(PL名):佐々木トシオ(ササキ・-)(フィロス) 性別/年齢/種族:男/30代後半/男 クラス:エンジニア ゲーム的特徴: 研究所の電気系統の故障のために派遣されてきた電機系エンジニア。 他のPCになく、今回の目玉になりそうなコンピュータ操作を担っていたが……まさか(苦笑)。 一応、まんべんなく頑張ってましたよ? ロール的特徴: おせっかい焼きな町の電気屋さんみたいな雰囲気で頑張ってみました。 やはり探索者たるもの人情と友情は大事にしたいものです。 おかげでちょっと他のPCを振り回した感もありますが、まあ、あれぐらいでちょうどよかったんじゃないかなぁ。 その他: というわけで一歩間違えると老害なフィロスです。 段々初対面の人とプレイするときにプレイ年数が上の人が減ってきたんだぜ……。 あまり上から目線にならないように初心を忘れず、卓のみんなが楽しめるプレイングを目指していきたいです。 ◆粗筋 繰り返しになりますが、今回のシナリオはサンプルシナリオなので、ネタバレを気にされる方はご注意ください。 では始めます。 このゲームには「フェイズ」という区切りはないのですが感想書く上で便利なのでフィロスの主観で「オープニング」「ミドル」「クライマックス」「エンディング」に切っていきたいと思います。 ■オープニング とある研究所で使途不明の予算が増えていた。 それを調査を指示された探偵の近藤。 その研究所に新任研究員として配属された田口。 偶然発生した電気系の故障の修理に派遣された佐々木。 様々な目的で集められた3人は、とりあえず担当が来るまで広々とした「会議室」で待たされる。 渡されたのは入館証にもなる腕時計型のスマートデバイス(注2)。 各部屋に入るためには権限レベルが必要で、オープンエリアである会議室は「レベル1」。 ……まあ、すでにこのデバイスに「進度」とか謎のパラメータがあるんですが、このときはスルー(笑)。 会議室には3人の他にドイツ人ハーフ美少女のユイもいましたが、まあこの瞬間はわざわざ話すことはせず。 とPCが3人が揃ったけれど、話す話題も必要もないよなーとPLが顔を見合わせたところでKP(注3)からイベント発生。 どこかの部屋で小規模な爆発音と、シャッターの降りるような音。 そして突然開いた会議室の入口に、倒れこんでくる研究員。 その研究員は皮膚表面が石のように硬化していき、倒れた拍子に首がぽっきりと折れてしまいます。 中身はフレッシュなままで、血の海が広がっていく様を目の当たりにした一同はいきなり正気度チェック! ……まあ、耐えてしまったんですけどね(苦笑)。 外への通信はできず、入口は「レベル5」で封鎖。 廊下には石化して倒れている研究員たち。 とにかく、研究所は異常事態になったことはわかりました。 探索者たちは脱出の道を探すため、活動を始めました。 ■ミドル とりあえず生きてる探索者3人とユイちゃんの4人で行動を共にすることに。 ただ、ユイちゃんも研究所には数か月いるものの、客員研究員として招かれた立場らしくデバイスの権限は「レベル1」。 会議室でぶっ倒れてる研究員から田口が「レベル2」のデバイスを見つけ、警備室に入ることができました。 初期正気度が高くない佐々木はユイちゃんと警備室の外で待ち、田口と近藤で調査。 とりあえず研究所の間取り図と「レベル3」のデバイスを見つけましたが、そこで突然求められるCONロール。 「何かに耐えられるか」を判定するものらしいですが、なぜか警備室の中にいる2人だけ。 リコさん「……空気感染?」 フィロス「いや、それならとっくに我々も石化してるはず。接触でもないから、何か理由がある」 ダイさん「ユイちゃんと一緒にいるから無事とか?」 フィロス「あー、それはあるかも。このデバイスの『進度』も気になるし」 KP「あ、『進度』フィロスさん気づいちゃいました?」 フィロス「!?……いやまあそら気付くよなー(笑)」 KP「ですよねー。気づいたあなたは正気度判定です(笑)」 フィロス「ですよねーorz」 佐々木の貴重な正気度と引き換えにユイちゃんは「進度0」、佐々木、田口、近藤の3人は「進度1」ということがわかりました。 さて、ここから地道な調査が進むのですが、あまり紙幅をとるのもあれなのでばっさり箇条書きで。 ・佐々木の友人の糸田を仮眠室で発見。糸田は「レベル3」「進度0」だった。 ・コンピュータ室、執務室で情報を統合することで「G」と呼ばれるウイルスが研究されていたことが判明。 ・「G」によって石化した人間は死んだわけではなく表面が石化するだけで中身は仮死状態。つまり死んでいない。 ・石化しかかって血だらけの猿と遭遇。でも田口渾身の生物学は失敗。KPも苦笑い。 ・戦闘で近藤のスタンガンと田口の羽交い絞めからの佐々木による縛り上げによる拘束コンボ発動。今回の戦闘の鉄板となる。 ・石化した人間の頭を割って回る殺人鬼と遭遇。狂った副所長だった。精神分析、言いくるめともに失敗。精神分析にいたっては100ファンブル(苦笑)。 ・副所長から「レベル4」のカードを入手。これで出口以外の全ての部屋に入れるように。 ・スーパーハッカーである糸田が、極秘ファイルにアクセスしようとするが、突然進度が進行して石化。遺言(死んでない)で研究所全体をダウンさせるウイルスプログラムを佐々木が預かる。 色々調査する度に求められる正気度判定、CON判定ですが、なぜかPCたちはここぞというところで成功。 調査の重要そうなところは失敗するんですが、そのおかげで妙な手詰まり感に(苦笑)。 肉体的変化が起こらないし、調査はうまくいかないし(笑)。 ただ、糸田が死んだ(死んでない)あたりで、ついに佐々木のCON判定が失敗し始め、進度が上昇。 肉体的ダメージを負うようになっていきます。 そして今まで「進度0」だったユイちゃんが突然進度上昇し、所長が秘蔵していた魔導書が発見されます。 段々と黒幕である所長の企みがわかってきました。 ・所長の奥さんがかつて謎の石化する病にかかった。 ・「G」はそれを治療するために、病気を再現させるために作られた人工的なウイルス。 ・魔導書にはその抗体となる効果があり、魔導書そのもの、もしくはそれを人が写したものを持っていると進度が上がりにくい。 ・ユイちゃんは魔導書の翻訳のために招かれており、ずっと翻訳中の魔導書を持っていた。 ・正気度を犠牲にすれば、魔導書を写すことができる。田口が頑張って人数分を写した。 ・隠していた研究がついに親会社にばれて監査が来ることを恐れた所長は最後の賭けに出た。 ・研究所に秘蔵されていた「人智を超えた肉塊(注4)」の力を借りて研究を一気に進めようとした。 ・ウイルスはコンピュータに侵入してコンピュータウイルスに変化。ディスプレイを見た人間を石化させる能力を身に着けた。 PL一同「……あちゃー。これやっちまった系ですわ」 一同は、怪しさ満点の地下室についてに到達。 儀式装置っぽいものに座らされた女性の石像を見て「これ生きてるんだろなー。触らないでおこう」とスルー。 隣の部屋にある謎の棺桶も判定に失敗してスルー。 KPが頭をかかえながらも出した所長の「頭のない死体」から最後の「メインサーバールーム」の鍵を発見しました。 ■クライマックス ここまでの調査でどうやら「水が苦手らしい」こと、あと最後の切り札は糸田の遺した(死んでない)ウイルスでサーバー丸ごと吹っ飛ばすことと断定。 田口は水の入ったバケツで武装。 佐々木はコンピュータに接続したデバイスをもっていつでもウイルスを発動できる構え。 近藤は得意のスタンガンで前線に立つことに。 突入すると、そこは異形の主が鎮座していました。 ピンク色のアメーバのようなものがコンピュータをつなぎ、信号が光の速さで何かを伝達する。 それに反応するようにコンピューターはうなりをあげ、さらに、そこには亡くなっていた所長の頭が。 まるでコンピュータの部品のように接続された所長は、PCたちを見て最後の抵抗を始めます! KPが甘く裁定してくれたのかもしれませんが、水とスタンガンはやはり苦手のようで怯む化け物。 近藤と田口が攻撃をなんとか凌いでいる間に、佐々木がウイルスをスタートさせます。 KP「むむ、成功しましたね。じゃあ、ダメージをふってください」 佐々木「いくつ?」 KP「1D100です」 佐々木「は? 固定値は?!」 KP「固定値はないです。1D100です。ロマンありますね~(笑)」 佐々木「ちょ、こいつの耐久確か結構あったろ?! それ危なくね? これでダメだったら!」 KP「失敗したらバケツで水をもう一度持ってくればいんじゃないですか?(笑)」 田口「は、はは、僕何回でもいけますよー(遠い目)」 近藤「やるしかないっすね。佐々木さん」 佐々木「ちょ、まさかこんな重圧があるダメージロールをクトゥルフでするとは……」 シナリオが終わるか、PCたちの命が終わるか、成功率が8割以上あっても失敗するのがこういうゲームの怖いところです。 佐々木「わかった。ふる! ……(ころころ)73点! どうだ!」 KP「まあ、耐えられるわけないので……」 電気ショックを受けたように一瞬ひるんだアメーバは、ずるずると力をなくして水のようにつぶれていきました。 さっきまで様々な表情と怨嗟の声を上げていた所長の顔も血の気をなくし、元々そうだったように地面に転がりました。 ■エンディング 親会社の事後処理班が来ました。 「何か見たか? 知ったか?」という親会社に対して、長いものには巻かれようと全て告白する一同。 「人体実験とかしてたのを告発しないんですか?」というKPの問いに苦笑いする世渡り上手なPLたちでした。 近藤は無事に探偵業に戻り、大企業とのパイプをゲット。 田口もいきなり無職にはならず、かなり好待遇で次の職場へ。多分口止め(笑)。 佐々木も仕事に戻りつつ、なぜか御指名で仕事が来ることが増えたとか。 それぞれ日常が少しずつ変化しつつも生活は続いていきます。 ■おまけ シナリオを終えたら正気度回復が待ってるんですが。 佐々木「よっしゃ。黒字~♪」 田口「ちょ、まって! 魔導書写した分だけ赤字! 僕みんなのために頑張ったのに!」 近藤「わたしはちょっと黒字。……よかった」 KP「今回皆さん正気度判定調子よかったっすねぇ(悔しそう)」 ◆反省と考察 ロール:3点 ゲーム:3点 ストーリー:3点 ボーナス:3点 全体的に平均的。 ロールプレイも不快感なく協力的で、ゲーム的に大失敗もあったが、なんとかリカバリもきいた。 ストーリーも、そんなに問題なく、無難に。 ボーナスはやはり問題なく。 ……なんだか否定的な表現になってしまっているが、普通に面白かったのは間違いない。 初顔合わせの面子を、キャラメイクから始めて6時間足らずでトラブルなく終わらせるのは、全員の協力があってこそ。 ◯良かった点 ・初顔合わせ面子をきれいにまとめたTSさんグッジョブ。 ・フレンドリープレイヤーなリコさんとダイさん。 ◯悪かった点 ・初顔合わせだからと構えすぎてたかもしれない。 ・やはり感想戦の方針を表すセッションシートはあると楽。 個別解説。 ・初顔合わせ面子をきれいにまとめたTSさんグッジョブ。 公式シナリオをPL人数に合わせて微調整。 キャラメイク中もきちんとフォロー入れる。 セッション中も悩みながらも、PLの提案をできる限り叶えるようにジャッジ。 PLを積極的に褒めつつ、きちんと活躍できるようにバランスをとる。 ……さすがに褒めすぎ?(笑) ま、どこまでが計算でどこまでが天然かはわからないけれど、初顔合わせの面子で無事にセッションをきちんと終わらせるってのはそれだけすごいことなんだとファロスは思ってます。 ・フレンドリープレイヤーなリコさんとダイさん。 もちろん、GMだけが頑張ったってセッションはそううまくいくわけではない。 リコさんとダイさんの両方がちゃんと周りの意見を聞きながら自分の意見を主張できるPLさんたちだったのでとても楽しいセッションでした。 ・初顔合わせだからと構えすぎてたかもしれない。 ……ここまで書いていて、フィロスはどんだけ人見知りなんだと(笑)。 昔、そんなにコンベンションで嫌なことがあったのかなぁ? 自問自答したくなるぐらい、なんだか今回のセッションには身構えていたらしい。 結果的に杞憂に終わったと判断していいのか。 フィロスが楽しかったということは、周りのPLさんがフィロスに合わせてくれただけなのかもしれないわけで……。 ・やはり感想戦の方針を表すセッションシートはあると楽。 これは「悪かった点」というよりも単純な感想。 FEAR風に言うと「アフタープレイ」のタイミングで、わいわいがやがや雑談してたわけだが、やはり謎解きシナリオのせいか「あの演出はどういう意味?」みたいなGMへの質問タイムみたいになっていた。 別にこれが悪いわけではないが、解散した後で感想書いていて「フィロスのプレイについてどうだったか」を聞けなかったなーと思った。 そして同時に「他の方のプレイについてあんまり感想言わなかったかもな」と思った。 「終わりよければ全てよし」という言葉があるように、心理学的にも最後の言葉は印象に残りやすいと言うように、アフタープレイの感想にはセッション全体のイメージを左右する効果がある。 フィロスは個人的に「もっとうまくなりたいPL」なので、そういうフィードバックがもらえるチャンスはなるべく吸収したいし、リコさんやダイさんの良かった部分をもっと伝えればよかったとちょっと後悔している。 別に個人の心がけでもできないことはないが、FEARみたいなアフタープレイの指針を示したセッションシートがあると便利だね、という話。 (注1)クトゥルフ神話TRPG:実に古いTRPG。 しかしニコニコ動画を中心に(実際にプレイしているとは限らないが)プレイ動画が大流行。 TRPGに「動画勢」という新しい入口を作り出した。 フィロス的には判定の簡単さと正気度判定の面白さが受けたのだと思っている。 ……ルールを全部使ってがっつり遊ぶタイプのプレイヤーだと判定は決して簡単ではないのだがそこは動画作成者の見せ方がうまいのだろう。 KPがうまくやることで、古いシステムでもいつまでも遊べることを体現している意味でも伝説的な作品。 公式サイトはないので、出版元とウィキペディアにリンクはっとこう。 http://www.arclight.co.jp/ https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%88%E3%82%A5%E3%83%AB%E3%83%95%E3%81%AE%E5%91%BC%E3%81%B3%E5%A3%B0_(TRPG) (注2)スマートデバイス:書き忘れてましたが今回の舞台は現代日本。 クトゥルフ神話は元々1920年代アメリカを舞台にしてますが、現代日本でも遊べるように「クトゥルフ2010」「クトゥルフ2015」とかサプリメントも充実している。 だから今回のセッションにはスマートホンとかも存在している。 (注3)KP:言うまでもないと思ったけど一応注釈。 クトゥルフ神話TRPGではGMのことを「KP(キーパー)」と呼びます。 なお、PCのことは「探索者」と呼びます。 文中もそれにならってます。 (注4)人智を超えた肉塊:もうちょっと違う表現だったかな。。。 シナリオ後のネタばらしで明らかになりましたが、こいつの正体は「ミ=ゴ」。 見た目は不定形のアメーバみたいな肉塊ですが、人間以上の知能を持ち、様々なシナリオのキーアイテムというか黒幕というかそんなポジションによく使われる。 人の脳みそが好き。
by phirosu2
| 2017-10-09 11:08
| クトゥルフ神話TRPG
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