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ナッシングウォー! 戦う理由と武具の行方
【TRPG感想】
先日は自分がGMのアリアンロッド2E(注1)でした。

ついにセブンアームズキャンペーンも最終回。
全5回という比較的コンパクトなキャンペーンだったのですが、なかなか深い話になりました。
とにかくPLの皆さんには感謝を。

では早速キャラクター紹介から。






◆キャラクター紹介
名前(PL名):ミントス(青海)
性別/年齢/種族:女/外見24歳/ディーバ(エルダ)
クラス:ウォーリア/ニンジャ
ゲーム的特徴:
WEBキャラシーはこちら。
http://phirosu.php.xdomain.jp/arian/chara.php?id=602

成長では《バーストブレイク》を伸ばしてCLがダメージに加算される《ビッグバン》とかを取得。
個人的に鋭いなーと思ったのは嘘を見破る《インサイト》を取得したこと。

前回黒幕のアレガスが登場したことを受けてなのか、会話術対策なのか。
相変わらずのデータ感覚がロールプレイ面までにじみでてきてなんだかすごいかっこいいです。

戦闘では、倒れたことを残念がってたみたいですが、きちんと仲間を守って倒れるなら戦士として正しいあり方だとフィロスは思いますよー。

ロール的特徴:
「感情を切り捨てた」という設定もあるのだろうが、今まであまり前面に出てこなかったミントスさん。
でも今回ばかりはさすがにそうはいきません。
GMの策略によって話の最も根幹にいてもらうことになったので、色んなことの責任をとらねばならくなりました。
……いや、これはGMがそう誘導されたのかな?
もうどっちが起点だかわからないけど、とにかく前に出ないのに存在感があるという深みのあるロールプレイでした。

その他:
毎回GMの斜め上を行く青海さんです。
今だから言えますが、最初に設定を見たときから「こいつは、キャンペーンの核にせざるをえないぜ」と冷や汗をかいたGMです(笑)。
色々と重い役割を背負わせてしまったような気もしますが、青海さんはきっちり考えて答えを返してくれたので、今回のエンディングはとても満足です。
また、ぜひ一緒にキャンペーンやりましょう!

■PC番号:2
名前(PL名):マリー・カーン(TS)
性別/年齢/種族:女/外見14歳/レムレス
クラス:アコライト/ファランクス
ゲーム的特徴:
WEBキャラシーはこちら。
http://phirosu.php.xdomain.jp/arian/chara.php?id=613

ちょちょいとリビルドしつつファランクスからダメージアップ系スキルを大量取得。
90点オーバーという弓アコライトとしては驚異的なダメージを出すようになりました。
これでレンジャー通ってないんだから恐ろしい。

でも特筆すべきは、マリーさんじゃないけどTSさんの連携攻撃の指揮でしょう。
以前から予告していた「ボス1人VS味方7人の戦闘」に対して、ギルドサポート《連携攻撃I・II・III》を取得。
その場の状況に合わせて最適な連携スキルを指揮するのは多分普通の人じゃできません。
残念ながら7人連続攻撃はできなかったわけですが、かなりお祭り感覚だったと思います。

ロール的特徴:
前世ネタで妄言プレイが全面に出るマリーさん。
ただそれでも論理的に押さえるところをしっかり押さえるのはさすがです。
ミントスやコタローが「感情面」で話をするのに対して「論理面」をきちんと追いかけてくれてありがとうございました。

その他:
今キャンペーンもお疲れさまでした。
前世がどーのこーの言い始めたときはどうしようかと思いましたが、きちんと伝承武具の設定をとりこんだ素晴らしいキャラクターでした。
惜しむらくはフィロスの感想では紙幅が足りず、前世ネタの10分の1も表現できてないことでしょうか(笑)。
毎回新しいキャラクターが出てくるTSさんの引き出しの広さには本当に感服します。
ぜひこれからも色んなキャラクターを見せてください!

■PC番号:3
名前(PL名):コタロー(ムク)
性別/年齢/種族:男/2歳/ベスティア(カニス)
クラス:メイジ/シーフ
ゲーム的特徴:
WEBキャラシーはこちら。
http://phirosu.php.xdomain.jp/arian/chara.php?id=612

成長では順当に固定値やフェイトを上げて地力をアップ。
同時に《ウインドバリア》《ドッジムーブ》を取得して回避が驚異の値に。
あと《ランナップ》もかなり活躍してました。

他の仲間から頭ひとつ抜き出た回避力によって、ピンチになると回避盾として前に立たざるを得なくなるメイジ(笑)。
でも、本当にコタローの回避は恐怖でした。
だってあたるかどうかGMにもわからないもん(笑)。
自爆やら回避やら、不安定さがある意味若さのロールプレイにつながってたのかなー。

S武具やリンク装備など、アイテムガイドをフル活用してたのも多分コタローだったかと。
色々小ネタがきいてました。

ロール的特徴:
他の二人に比べて最も迷いの振れ幅が大きい若者。
GM的には今回みたいな「迷わせる問い」にきちんと迷ってくれるPCはとてもありがたかったです。

答えへと至る過程も、とてもぐっとくるいいロールプレイでした。
仲間を大切に思う気持ちで戦うってのはフィロス大好きです。

その他:
斜め上その2のムクさん。
とはいえさすがに今回は斜め上ではなかったかな。
ムクさんとのセッション回数も増えてきたしなぁ。

以前とあるPLさんを「熱いロールプレイが得意」と評しましたが、ムクさんの場合は「あったかいロールプレイが得意」な感じがします。
見ててほっとするような、ほっこりするような。
今回見た目がもふもふな犬だったせいもあるかもですが(笑)。

これからも稀有なそのあったかさを見せていってほしいです。

◆粗筋
■前回までの粗筋
遠い遠い昔の時代、ミントスという1人のエルダがいた。
己の中の【傲慢】を体外に剣として切り離すことで災厄を逃れたエルダの生き残り。

時は流れ現代。
手にすれば世界を変えるという伝説を持つ『七曜の武具』に導かれ、3人の冒険者が集まった。

長剣「ミンティア」を持つミントス。
首巻(服相当)「風伯煙布」が一族に伝わる忍犬の里の若者、コタロー。
かつての魔族戦役で仲間を守って死亡し、弓「サイコハンターボウ」にとりつく幽霊となったマリー。

3人は冒険を繰り返すうちに
刀「活性丸」を持つカジキ、
斧「チャンピオンハルバード」を持つドン、
短剣「カメレオンナイフ」を持つフェルナンド
と遭遇する。

そしてミントスを執拗に憎む、ミントスと同じ顔のフリスクが現れる。

降りかかる火の粉を払うため、ミントスたちはフリスクのアジトに潜入。
フェルナンドたちを人質にとられたりしながらも、なんとかフリスクを撃退。

その場に現れた真の黒幕アレガス。
そしてついに揃った七つの武具によってミントスは全ての記憶を取り戻したのでした。

・ミントスが作り出した剣「ミンティア」は手にして死んだ達人の魂(技術と知識)を吸収して蓄積する能力を持っていた。
・ミントスが災厄を逃れるために地上にミンティアを残した間、様々な人間の手に渡り、たくさんの魂を吸収してきた。
・そしていつか持ち主を操り、アレガスという存在を作り上げた。
・アレガスは、ミンティアをコピーして残り6つの武具を作り出し「七曜の武具」という伝説を作った。
・死者の魂を取り込むがゆえに、武具には憎しみなどの悪い感情がたまりがちだった。そんな憎しみだけを切り離したのがフリスク。
・フリスクに「ミントスが悪いんだぜ」と吹き込んだのはアレガス。

そんなわけで、今まで「ミントス殺す」だったフリスクの憎しみの対象はアレガスに移ります。
ただ、アレガスは強力な存在なので1人では敵わない。
そこでフリスクはPCたちに「一緒にアレガスを倒してほしい」と依頼したところまでが前回。

■オープニング
フリスクは準備が必要といって姿をくらましました。

PCたちは「依頼はされたけれどもアレガスを倒すモチベーションがなぁ」と言っているところにアレガス登場。
登場といっても、個別オープニングでそれぞれにアレガス本人が接触してくる感じですが。

全てのシーンで「アレガスそんなに悪い人じゃないっぽいよ?」というアピールをするGM。
今回予告でも伝えていたのですが、今回のアレガスは「戦う理由を奪う」というのがテーマ。

コタローが「お父ちゃんを武具から解放して、ご神木のお母ちゃんと一緒にいさせてあげたい」と言えば、素直に今はできないと謝ってから今後研究してみようと言ったり。
マリーには、かつての魔族戦役でマリーが命を落とした時のことを謝罪したり。
ミントスには、フリスクが予想外に暴走してしまったと弁解したり。

ただ、マリーとミントスは「そんなに嘘を言っているわけではないが、全てを話してるわけでもない」ということ気付く。
コタローは気付けなかったので「あいつ悪い奴に思えねえんだ」とか言ってましたが(笑)。

■ミドル
さて、ここまでPCのモチベーションを揺さぶるのには意味があります。
元々このキャンペーンは武具というキーワードで集まったPCなので戦う動機が薄いという話が何度も出てました。
それなら、いっそのことそこをテーマに最終回をやってしまおうというのが今回のお話です。

そのために用意したミドルのギミック……ギミックというほどのことはないのですが……はこちら。

・戦いが始まるまで1日。午前と午後の2回行動できる。
・この2回で「戦う理由」を見つける。
・「誰と会うか」を宣言してシーンを開始。
・NPCが知っていることがあれば会話で聞ける。知りえないことも好きな能力値で判定して知ることができる。

……うん、我ながら投げっぱなし(笑)。
一応話相手として七曜の武具を持つフリスクやフェルナンド、アレガスとかに会えるよーってのは言いましたが、情報項目があるわけでもなし。
伏せたカードみたいな小道具があるわけでもなし。
どんな展開になるかは全てPLに投げたギミックです。

第1サイクルでは、まずミントスさんから。
ミントスさんはフリスクに会いに行きました。
言い忘れてましたが、フリスクは3日間の準備(注2)を終えて臨戦態勢整ってます。
フリスクが、憎しみの対象であるアレガスが出てこなければ大体普通であること、アレガスを倒した後に何がしたいかを確認してました。

マリーは、フェルナンドに戦う理由について質問。
フェルナンドは「今は平和っすから。豊かに暮らすためにお金っす。でも、命をかけるほどじゃないし、仲間を売るようなこともしないっすよ」と。
GM的にはフェルナンドって前世持ちって以外は一番普通の人っぽいイメージです。

コタローは、忍犬の里のご神木の前でモノローグ。
コタロー「おいら、いつの間にかあいつら(ミントスとマリー)のこと好きになっちまったみたいだ」
コタロー「父ちゃんを連れてくるのが無理だったら、ちゃんと墓参りするからそれで許してくれよな」

さくさくと2サイクル目へ。
マリーが、フリスクがつぶした研究施設を利用して、武具の深奥に眠る「アレガスの動機」に触れます。
そこにあるのは「欲しいものを欲しいときに得られる力が欲しい」という根源的欲求。
気が向けば善行もするけれど、基本的には欲望のまま他人の被害も顧みずに手段を選ばないということがわかりました。

マリー「……なるほど。つまりただのわがままなガキってことね。ちゃんと躾なきゃ駄目よ」

コタローは何かと因縁の深いカジキさんと戦う理由について語りあいます。

カジキ「アレガスは武具を集めているのでござろう。ならば、拙者の魂とも言える活性丸を拙者の死後とはいえ自由にされるのは許せんぎょ」
カジキ「いわば、死後の誇りのための戦いでござるぎょ」
コタロー「誇りのための戦い! かっこいいな! なら俺の行きつけの店(注3)があるんだ。勝ったらそこで祝杯をあげようぜ」
他のPL「死にフラグ立てにキター!(笑)」

そしてミントスは、アレガス本人と雑談。
前のシーンでフリスクの戦う理由を聞いたミントス。
アレガス自身の戦う理由を聞きます。

ミントス「あなたは何をしたいの?」
アレガス「俺は、したいようにするさ。当座は襲ってくるフリスクの迎撃だな(笑)」
ミントス「……一度ぶつからないとフリスクの憎しみは解放されないと思うの。だからわたしはフリスクに協力してあなたと戦う」
ミントス「でも、ただ殺すってのは何か違うと思うから、いざとなったら間に割り込むと思う」
アレガス「そうか。へぇ、なるほどね」

そして戦う理由を見つけた3人は、NPC4人と合流。
いよいよミドル後半はGM肝入りのデータ合戦の始まりです。

七曜の武具と同じような能力を持つ六道の武具を身に着け、とんでもない数のスキルを手に入れるアレガス。
案の定七曜の武具と同じ能力の武具は世界中にあるとのことです。
そして味方側のNPC4人はストレンジャーガイドで追加された「バディデータ」としてレベル10で作成した4人です。

ちなみにデータはこちら。
フェルナンド:http://phirosu.php.xdomain.jp/arian/chara.php?id=578
フリスク:http://phirosu.php.xdomain.jp/arian/chara.php?id=576
カジキ:http://phirosu.php.xdomain.jp/arian/chara.php?id=575
ドン:http://phirosu.php.xdomain.jp/arian/chara.php?id=574

キャラ紹介でも話しましたが、このギルドは《連携攻撃I・II・III》を全て取得。
先頭のコタローが圧倒的行動値によって先手をとり、そこに他の仲間が連携するという戦術が基本です。

マリー「まずはコタローが魔法攻撃と《ウォータスフィア》で……」
GM「あ、まずは《アデンダム》で割り込むわ」
マリー「な?!」
GM「あと、そこに《パワーブレイク》でスリップ付与しつつ《インベナム》《シックネス》つきの《クロススラッシュ》」
ミントス「シーフにシャーマン? てかさっきアデンダム使ったのにウォーロードのクロススラッシュ?」
GM「あとこのスリップは《デモンズウェブ》で判定減らす超スリップになってます」
マリー「スカウト、ウォーロードに、ウィザードのスキルまで……」
コタロー「(指折り数えながら)ていうか、今のでスリップ、衰弱、毒が入るんだぜ」
GM「あと、このメインプロセス終わったら《ホースバトラー》で90点貫通いくから」
一同「なんだってー?!」

PLが驚いてくれたようでGMは満足です。
ただ結果から言うと全部のスキルは使い切れなかったんですけどね。
さすがに「戦術を決めてからスキルをとる」のではなくて「スキルを全部使うという目的のために戦術を組み立てる」ので、そううまくは回りませんでした。

そんなびっくりどっきりアレガスはおいといて、連携攻撃でダメージを与える一行。
しかしアレガスのダメージは武具に吸収されてしまいます。

ミントス「どういうこと?」
アレガス「あーあ、もったいねぇ。今ので達人の魂が減っちまったじゃねえか」
フリスク「武具の中の魂を犠牲にして、ダメージを相殺しているというのか……!」
GM「ルール的には、武器以外の武具5つに300点ずつHPがあって順番に減っていきます」
ミントス「え、それって、300点超えたら?」
GM「(にやり)オーバーキル分は捨てられます」
マリー「GM、そりゃないよーorz(注4)」
ミントス「魂を……アレガス、あなたにとって達人の魂は?」
アレガス「あん? こんなのただの道具だろ」
コタロー「そんなわけ!」
アレガス「死んだら消えちまう魂を俺が再利用してやってるんだ。むしろ人類のためだろう?」
マリー「……最低ね」
ミントス「そう……。やっぱり、あなたを野放しにはしておけない!!」

なにしろ色んな手を出すアレガスとPC側も7人もいるので戦闘長引きました。
トピックとして覚えてるのはこの辺りかなぁ。

・コールスレイプニルした馬のホースバトラーが一番ダメージが高い。PL曰く「むしろ馬が本体」。
・とはいえアレガス自身の攻撃も、超スリップ毒(4)衰弱(3)威圧スタンとバッドステータスの見本市のような感じでいやらしい。
・お約束のように《エンカレッジ》《カリキュレイト》で割り込んで戦術を瓦解させるアレガス。
・しかし負けないPC勢。コタロー(闇)→ドン(火)→フェルナンド(光)→マリー(地)→フリスク(闇)→カジキと華麗に連携をつなぐ。
・たまに渾身の命中3Dでファンブルするマリー(遠い目)。
・たまに渾身のダメージ8Dで1が6個出るマリー(遠い目)。
・ドンの攻撃をドヤ顔で《ソウルバスター》するGM。しかし計算が狂ってなんとHP1点残しorz。
・前衛のドン、カジキが倒れ劣勢……かと思いきや、回避盾のコタローを前面に出して連携を組み立てなおすマリー。
・コタロー(闇)→マリー(風)→フェルナンド(光)→フリスク(水)→ミントスと鮮やかな連携の再開。

そしてついに五つ目の武具が魂を失い、アレガスは後ずさり。

アレガス「やるじゃねえか。俺をここまで追い込むとは」

最後の手駒としてゴーレムと巨人を召喚するアレガス。
巨大な敵の奇襲に一時撤退する一行。

フリスク「今アレガスは追い詰められている。武具の魂の力を借りて、君たちの力を回復させる。いいな?」
カジキ「すまぬ。拙者たちは今戦えぬ」
ドン「後を頼んだぜよ」
フェルナンド「おいらたちの分も戦ってほしいっす」
コタロー「ついにカメレオンナイフを渡すつもりになったっすね(一同笑)」
フェルナンド「いやいや、これはおいらのっすよ!(一同爆笑)」

というわけで、カジキ、ドン、フェルナンドの武具の力を一時的に失う展開でPC3人のフェイト以外のリソースを全回復。
いよいよ最終決戦です。

■クライマックス
先ほどの部屋で、わざと偉そうに待つアレガス。
番人のように左右に控える巨人とゴーレム。

アレガス「なあ、もうやめにしねえか。これ以上やったら死人が出るぜ」
アレガス「お互い、命は大事だろう?」
マリー「は、魂をあんなに軽く扱うあなたがよく言うわね」
マリー「魂は死して次の生につながっていく。そう、あなたがかつて裏切りの英雄だったように(一同笑)」
アレガス「武器に思い切り囚われてるお前が言うな(一同笑)」
コタロー「父ちゃんの魂を、道具みたいに使われてたまるか!」
ミントス「あなたが、命について語る資格はあるのかしら?」

アレガス「もちろん、俺がやってることが正義だとは思わねえよ?」
アレガス「でも、消えていく魂を再利用して何が悪い?」
アレガス「その武具は力の象徴なんだよ。理由はなんであれ、お前たちだって自分の意志でその武具を、力を手放してない!」
マリー「わたしは手放せないんだけど……(一同笑)」
アレガス「例外はおいといて(笑)……、人は手に入れた力を手放したくない! それが本性なんだよ!」

マリー「ええ、確かにわたしは生きるためにこの武具にすがったわ」
マリー「でも力は使い方によって人を幸せにも不幸にもできる」
マリー「あなたの力の使い方は多くの人を不幸にするわ。だから、止める!」

ミントス「あなたが魂を道具として扱うのはとても悲しいわ」
ミントス「手段を選ばないあなたは、放ってはおけない!」

コタロー「どうしよう。おいらがここまで来れたのって風伯煙布があったからなんだよな。効果強いし」
アレガス「だろう?(笑)」
マリー「力に魅せられてる(笑)」
ミントス「それだけじゃないでしょ!(笑)」
コタロー「そ、そうだぜ!(汗)」

コタロー「確かに風伯煙布の力がなければここまで来られなかったかもしれねえ」
コタロー「でもこいつがなければおいらは里を出なかったし、マリー姉ちゃんやミントス姉ちゃんとも出会えなかった」
コタロー「武具は力だけじゃない! 人と人をつなげるんだ! それがおいらたちの力だ!」

アレガス「いいぜ。見せてみろよ。武具だけじゃない、お前たちの力!!」

ということで最終戦闘開始です。

ミドルのアレガスはデータが多すぎたので単独中ボスとして登場しましたが、本来設定的には指揮官タイプのアレガス。
最終戦闘ではゴーレムと巨人という手駒を指揮する感じに組んでみました。
ただそれだけでは面白くないなーということで。

GM「セットアップで《アーススミス》を宣言」
マリー「あーすすみす?」
GM「こいつ、本業は武具作りの達人ブラックスミスなんです」
GM「というわけで、ゴーレムと巨人が戦ってる後ろで自己強化してきますよー」

これまたかなり長かった(苦笑)。
まあでも最終回の最終戦闘だから仕方ないかなー。

・フェイトを惜しげもなく出し切るコタローの《ブロウアップ》+《スペシャリストIII》でシーン攻撃。アレガスをかばったとはいえ巨人が一撃でダウン!
・連携攻撃の影響で飛行状態になったアレガス。それを利用して後衛のマリーへと肉薄。
・耐えるミントス。カバーウォーリアの本領発揮。
・最初は「馬がいないから平気」と言っていたが、自己強化が重なり洒落にならないダメージになっていくアレガスの攻撃。
・オリジナルスキル《俺によこせ》(注5)によってPCのスキルを封印しつつ、自分のスキルとするアレガス。
・1ラウンド目はミントスの《ボルテクスアタック》が封印されて決め手に欠ける。
・2ラウンド目はマリーの《プロテクション》が封印されて防御がピンチに。
・4ラウンド目はコタローの《リゼントメント》が封印されてダメ押しできず。
・ミントス決死のボルテクスも、GM渾身のクリティカル回避!
・ゴーレムが倒れ、アレガス最後の力として《再行動》が生える。もう満身創痍のPCたち。

GM「では、《クロススラッシュ》2回目(ころころ)命中」
ミントス「…………だめ、避けられない。蘇生もさっき使っちゃったし、倒れる」
GM「そこでイベントが発生します」
フリスク「ミントス! 僕の武具の力を受け取れ!」
GM「ミントスのフェイト以外のリソースが全回復します」
ミントス「フリスク?! ありがとう!」
GM「ちぇー、このギミック使わなきゃ戦闘終了後にフリスクがとどめの一撃さしにいく予定だったのに」
ミントス「これはこれでよかったような(苦笑)」
マリー「…………ミントスのボルテクスが復活したけどピンチは変わらないわ」

GM「(苦笑いしながら)この状況、見覚えあるなぁ」
PLたち「??」
GM「多分あと数回でミントスが落ちて、残ったマリーとコタローの回避にかける展開」
GM「これ、第1話の全滅したときとシチュエーションそっくりだ」
PLたち「!!」
GM「さあて、今回はどうなるかな?」

次のラウンド。
GMの宣言通り、ミントスは倒れます。
ミントス「……ごめん。守り切れなかったっ」
マリー「次はわたしか……ここで回復? いや、攻撃? 最後はコタローに賭けるしかない?」
コタロー「まじかよぉ~、おいら、そんな、まじかよ~(一同笑)」

GM含むPL一同、何度か全滅を覚悟した後……。

マリー「最後のフェイト! 《エグゼキューターIII》で貫通ダメージに!」
GM「…………防御はかなりあったんですが貫通じゃ仕方ない。20点オーバーでおしまい! 倒れます!!」
一同「ふ~~~」

■エンディング
アレガスが倒れ、動かなくなると、部屋の隅にいたフリスクがナイフを持って突っ込んできます。
力なく見送るミントス。
わかっていて止めないマリー。
……フリスクを止めたのはコタローでした。

コタロー「こいつが死んだら、父ちゃん戻せなくなる!」
フリスク「お前にわかるのか! 生まれてからずっと騙されていたわたしの憎しみが!」
コタロー「でも! こいつはもっときっと悪だくみしてる! こいつをここで殺したら、それ全部そのままだ!」
コタロー「それをつぶすほうがいいでしょ!」
フリスク「……ぐ、ぐぬぬ……でも」
マリー「でもコタロー、こいつ殺さないと多分またあなたの言う通り悪いことするわよ」
コタロー「それなら、おいらたちで見張って……」
マリー「あなたが生きてる間はいいかもね。でも50年後、100年後も多分アレガスは生きてるわ」
マリー「こいつをここで生かすということは、未来に対して責任を負うということよ」
コタロー「で、でも」
マリー「どうするの? ミントス?」
ミントス「……アレガスを、ミンティアに戻す。……(GMに向かって)できる?」
GM「なるほど確かに。達人が死亡するときに武具に触れていれば魂吸収されるから、可能ですね」
ミントス「だよね。そして、そのとどめをさすのはフリスクにやってもらう」
フリスク「!」
ミントス「そうすれば、フリスクの憎しみも消えるし、アレガスの知識は残るから武具の研究も続けられる」
コタロー「!」
マリー「なるほどね。でも、アレガスは元々その状態から生まれたんでしょ。もう一度出てこない保証は?」
ミントス「わたしがミンティアを離さない。今度は絶対に」
ミントス「その上で、わたしがもしアレガスに操られそうになったら……」
マリー「なったら?」
ミントス「そしたら、みんなが止めてくれるでしょ?」
コタロー「もちろんだぜ! もうアレガスに悪いことはさせねえ! 里に伝承(注6)を伝えてミントス姉ちゃんとミンティアを守る!」
マリー「……なるほどね。それならいいわ。わたしも賛成」

そんな相談をしているとうっすらと意識を取り戻すアレガス。
ミントスを見上げながら問います。

アレガス「……相談は終わったみたいだな」
アレガス「……最後に一つ教えてくれよ」
アレガス「俺は、【傲慢】は、お前に必要なかったのか?」
ミントス「……いいえ。あの時はわたしも生きることに必死だった」
ミントス「でも、【傲慢】が、あなたがわたしの一部だったのは事実だから」
ミントス「あなたが不要だったということは、いらなかったなんてことはない」
アレガス「……そうか……(目を閉じる)」
ミントス「……ええ。……フリスク、やってちょうだい」


黒幕アレガスを武具ミンティアに取り込んだ一行は、研究所から出てきます。
一仕事終えた一行は、それぞれの道へ。

コタロー「フリスクと一緒に父ちゃんを武具からご神木に移す研究するぜ! おいらはこのパーティで一番知力が高いからな!」
フリスク「ああ、アレガスの知識があれば不可能ではないと思う」
コタロー「里に研究室作らないとな!」

マリー「魂は輪廻するわ。わたしみたいなのが特別な存在」
マリー「フェルナンド、お願い。わたしをどこかの遺跡の中に隠して」
コタロー「マリー姉ちゃん……」
マリー「遺跡の場所は知らせるわ。もし未来に困ったことがあったら起こしてちょうだい」
マリー「その上で、もしわたしを武具から解放する方法がわかったらフェルナンドに知らせて」
マリー「わたしも、もう一度輪廻の中に戻るわ」
マリー「あなたたちとの旅、楽しかったわよ」

ミントス「わたしは、まだ世界にあるっていうアレガスの残した武具を集めるわ」
ミントス「それを全部集めないと、ちゃんとした後始末にならないでしょうから」
ミントス「大丈夫。時間はたくさんあるし、ミンティア(アレガス)も一緒だから」

……ということで、七つの武具にまつわるお話はここまで。
お疲れさまでしたー。

◆PLさんたちから一言
キャンペーン最終回恒例。
セッション終了直後に感想を伺いました。

〇コタロー→ムクさん
なんていうかもう、ぎりぎりの戦いでした(一同笑)。
攻撃はそんなくらってないんですけど、PLのHPが削られたみたいな。
大体やりたいことはできたんでよかったです。
(やりたかったことって?)
避けキャラとか、マスコットだけど決めるところは決めるとか。
楽しかったです。

〇ミントス→青海さん
GMには設定を拾っていただいて、PC1みたいな立ち位置にしてもらってありがとうございました。
元々奥手というか、あまり喋らないキャラだったけど、最終回は色々言いたいこと言えてよかったです。
ゲーム的には、やるべきことというか、壁としては役に立てたかなって思います。
2人の壁になれたのは嬉しかったです。

〇マリー→TSさん
最初に弓ひいちゃった(注7)からね(笑)。
なんとかレンジャーなしでも弓使えるぞってことをやってみたかった。
ファランクス強かったね。
あとバディデータも使えたし、あと最後(ボスが)ブラックスミスってのは設定とあってたね。
本当に武器職人だった。
新データ満載のいいキャンペーンだった。
というわけで、ストレンジャーガイドも出ましたし、ホブゴブリンやアルカードもサイバーオーガンも……
(新キャンペーンへの展望なので割愛)。
……てのをやりましょう! とりあえずお疲れ様でした!

◆反省と考察
ロール:5点
ゲーム:4点
ストーリー:5点
ボーナス:5点

ついに終わりました!!
ロールとストーリーは申し分ないでしょう。
三人は本当にかっこいいロールプレイをしてくれました。
この三人がいたからこそ、この物語が創りだせました。
本当にありがとう。
ゲームは悩んだけれど、後出しっぽくて使いたくなかった保険のギミックまで使ったので少しだけ減点。
その分ボーナスに。
そしてボーナスは、キャンペーンの無事終了を祝ったご祝儀もいれて5点で。

○良かった点
・PLたちに投げっぱなしてよかった。
・色々データ使えました。

○悪かった点
・全体的に行き当たりばったりだったかもなあ。

では個別解説。

・PLたちに投げっぱなしてよかった。
感想にもちらっと書いてあるが、今回のテーマは二つ。
1つは言うまでもなくお祭りみたいなアレガスフルアーマーVS七人の冒険者である。
もう1つのテーマは「PCたちの戦う理由」であった。

今回のキャンペーンはとにかく「押し」の理由ばかりで、PC自体が興味を持つような展開はあまり多くなかった。
そこがずっと気になっていたので、最終回のボスはこんな搦め手というか、交渉してくるようなキャラになったともいえる。
そして生まれた、PCたちに戦う理由を自分で見つけてもらう展開。
ミントスは自分の責任をとるために。
マリーはアレガスを放置するのが危険であると確かめてから、それを止めるために。
コタローは仲間のために。
大体期待していた通りになってくれたけれど、シナリオ作成段階では本当にそうなるのか不安で仕方なかった。
もっと強くシナリオで誘導したほうがいいのかな。
でも誘導強すぎて一本道みたいになるのは嫌だな。
この間でふらふら、ふらふら揺れていた。
最終的にはいつもお世話になってる方に相談した結果「PLを信じるなら任せてみれば」的なアドバイスをもらって、そうすることにした。

結果、やっぱりこの面子はすごい。
こちらの用意した以上のものを自分で作り上げてくれた。
もちろんフィロスが舞台を整えはしたが、やはり役者が彼らでなければこうはいかなかっただろう。
「投げっぱなし」と書いてはいるが、「信じて任せる。フォローする準備もちゃんとする」ということ。
そんな信頼関係から、本当に素晴らしい物語は生まれるのかもしれない。

・色々データ使えました。
基本クラス、地方クラス、上級クラスの全てからスキルを大体1つずつとったアレガスフルアーマー。
アイテムガイド2のリンクアイテムも最大限利用して作った10レベルバディデータ。
ブラックスミスの強化スキルを中心に据えたアレガスコマンダー。
キャンペーン全体に目を向けると、まずは伝承武具とS武具。
そして今まで使ったことのない種族やサポートクラスたち。
本当に色んな新しいデータを使ったキャンペーンでした。
まあ、我々ゲーマーなので新しいデータがあると使いたくなっちゃうのは仕方ないよね(笑)。
やっぱレベル9までだとサポートクラスが一番生き生きするから楽しいなあ。

・全体的に行き当たりばったりだったかもなあ。
最終セッションはそんなに悪いところないつもりなので、キャンペーン全体を通しての反省点として。
実はバックヤードでは色々ありました。
PL同士のあれこれって意味ではなく、シナリオ作成にフィロスが右往左往という意味(苦笑)。
そもそもフィロスは、本筋を作ってからキャンペーン始めることが多かったので、先にキャラクターを作ってもらうのは初めてみたいな感じだった。
だからこそ楽しめたが、だからこそ苦しんだともいえる。
当たり前だが、各PCに全く接点ないんだもん(笑)(注8)。

そんな油断すると空中分解してしまいそうな状況で、フィロスは公私ともに結構ハードな時期に入ってしまった。
セッションの準備はしたい。でも、どうしても時間が作れない。
そんなときが結構あった。
こんなことを書くと「十分にシナリオを練らずにセッションするなんて、参加してくれるPLに失礼だ」と昔の自分に怒られそうだけど(苦笑)。
でもできないもんはできないんである。
そこは色々工夫したのがこの結果である。
まあ……本当に、ちゃんと終わってよかったー。





というわけでなんとか落ち着けることができました、最終回。
「伝承武具」と「キャラメイクファースト」という始めた段階で目的は達成したようなキャンペーンでしたが、とにかく終わらせないことには達成とは言えないので。
もう大体の感想は書ききったので、最後は短く。

参加してくれた青海さん、TSさん、ムクさん、本当にありがとうございました。
またセッションしようぜ!!




(注1)アリアンロッド2E:FEARの剣と魔法のファンタジーRPG。
最近現代地球からの転生とかを取り込んで新展開中。

次のキャンペーンはうちもアーシアンかなー?

公式HPはこちら。
http://www.fear.co.jp/ari/index.htm

(注1)3日間の準備:3日という期間にはあまり理由はない。
黒幕体質のアレガスが、これ以上逃げることができない準備を整えたという意味。

具体的には、各地にあるセーフハウスやアジト潰し。
1人でやったわけではないだろうが、フリスク有能すぎである(笑)。

(注3)コタローの行きつけの店:実はオープニングでアレガスに案内された喫茶店のこと。
「腕はいいが金がない店長のために、アレガスが出資して店を出した」という良い人アピールのために用意された舞台。

1回しか行ったことないのに行きつけの店と自慢しちゃう見栄っ張りだけど憎めないコタローの性格が見て取れる。
ていうか、その日に出てきた設定をこうやって自分のキャラクターと絡めてロールプレイできるってすごいよね。
こういう瞬発力があるからムクさんのロールプレイは受ける。面白い。

(注4)そりゃないよ:TSさんがGMの戦略を聞いたりして絶望したときに出るセリフ。
超上級キャンペーンのときはよく聞いた(笑)。
これが聞けるとGMは心の中でガッツポーズする。

でも、それで諦めずに戦術を組み立てなおして結局逆転したりするのだからTSさんはすごい。

(注5)《俺によこせ》:具体的な効果は以下のような感じ。
・イニシアチブにエネミー識別済の対象を指定し、対象のスキルを1つ指定する。
・ラウンド終了まで、そのスキルを対象は使用できなくなる。
・ラウンド終了まで、そのスキルをアレガスが取得していると扱う。
・ラウンド1回。同じ対象は1シーンに1回しか選べない。

TSさんから「黒子のバスケの灰崎か!?」
……その通りなんだが、もっと有名な例えはなかったのか(笑)。

今回はミドルの「魂の犠牲」といい、戦闘中のギミックでエネミーの性格を表現するのがうまくいったなーという印象がある。
ちなみに指揮官タイプと言っているアレガスのメインはウォーロードだが、サブはセージ、ブラックスミスである。

(注6)里の伝承:今回の冒険で、忍犬の里には三つの伝承が残ることになる。
一つ、ミンティアを持つミントスが暴走したら止める。
二つ、困ったことがあったら、眠ってるマリーを起こしにいく。
三つ、魂の解放方法がわかったら、マリーを解放する。

まるで未来のシナリオフックである(笑)。

(注7)弓ひいちゃった:TSさんは伝承武具を決めるとき、自由に決めていいところをダイスに任せて弓ができた。
ゲーマーというのはつくづくダイスが好きであるなぁ(笑)。

(注8)PCに全く接点がない:伝承武具を持つというキーワードだけは決めていたが、その伝承が同じなのか別々なのかも決めてなかった。
確か、セッションしながら「属性が書いてある」とか決めていって「七曜の武具」っていう言葉が出てきた気がする。


by phirosu2 | 2016-10-10 12:25 | アリアンロッド2E | Comments(2)
Commented by kazuu at 2016-10-16 14:19 x
>フィロスさん
キャンペーンGMお疲れ様です。
前回の話にありました単発のアリアンロッド2Eですが、10月29日に開催する予定ですがご予定はいかがでしょうか
開催場所は秋葉原付近を予定しております。
詳しくは決まり次第書き込みさせていただきます。


Commented by フィロス at 2016-10-23 22:59 x
kazuuさん、レスありがとうございます。
申し訳ございません。
29日は都合が悪そうです。
せっかくお誘いいただいたのにごめんなさい。
ここから先は、クローズドな情報も増えそうですし、メールでいただくことはできますか?
アドレスはphirosu(アットマーク)hotmail.comまでお願いします。
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