これはこれは中々面白い記事を……。 自分もゲーム作りのスタート地点はいつでも「こんなゲームで遊びたいな」です。 しかしTRPGが一人で遊べないゲームである以上、ゲーム参加者は自分以外の他人も含まれます。 当然のように他人の思考は自分と違い、「自分が面白いゲーム」が「他人が面白いゲーム」であることはごく稀です。 で、ここからは自分の主観が入るのですが……。 遊ぶ以上やっぱり「参加者全員に楽しんでほしい」というのがゲーム製作の目標(注、ゲームの目標ではない)になります。 この段階で初期の「自分がこんなゲームで遊びたい」から「参加者全員が楽しめるゲームにしたい」に目標がステップアップします。 参加者全員に楽しんでもらうためには、気合や愛や根性などの「主観的要素」よりも、理論や統計などの「客観的要素」に基づいてゲーム製作をしたほうが効率がいいのはあたりまえです。 (主観的要素によって作成されたゲームは同じ主観的要素を持ちうる人間には楽しいゲームとなるが、持ち得ない人間にとっては楽しいゲームとは限らないため) まあ、その結果小難しい理論をひっさげて製作する作者ももちろんいると思います。 そして、中にはそういう理論無しで面白いゲームを作り上げてしまう人もいます。 人はそういう人を「天才」と呼んだりするのでしょうね。 閑話休題。 というわけで、このブログの人がやるような理屈は自分もこねたことがあります。 っていうかハートセイバーズは「困ったチャンの分析」からスタートした理論の集大成みたいなもんですし。 さて、話は変わりますが、ゲームデザイナー(以下GD)とGM、そしてPLの担当する作業量において以前 『GD、GM、PLのしなければいけない作業量の和は等しい』 ということを考えたことがあります。 具体的に例示するなら、世界設定。 GDが細部までをことこまかに設定した場合、GMやPLはそれに従うだけで特に何も考えずにゲームは進行できるでしょう。 しかし、GDが手抜き、または意図的に空白部分を残した場合はゲーム中にGMが決定したり、GMが決定しない場合はPLが自由に決めたりしなければなりません。 もう一つ例示すると、ゲームのルールについても同じです。 よくスポットルールとして落下ダメージや水中における挙動などがありますが、あれはGDがきちんと考えて決定しているのでGMやPLは従えばいいのであって、そういうものが定義されていないゲームでは当然GMやPLが必要になったときにその場で考えなくてはいけません。 そんなわけで、「GD、GM、PLのしなければいけない作業量の和は等しい」のです。 GDが手を抜けばGMに負担がかかるという理屈。 あたりまえですよね。 これは今回の「ゲーム性(ゲームの目標)を隠すか否か」ということにも当然適用できると思います。 GDが「このゲームはこういうことをやるゲームです」と明記すればGMやPLはただそれに従えば、当然GDの考えたとおりのゲームができます。 GDがそれを隠して仄めかす程度にした場合、GMはそれを推測したり、自分で目標を設定したりして埋めなくては面白いゲームにはなりません。 前者の場合が「・ゲームマスターの“負担を軽減”するために、代わりに〈ゲーム性〉について考える 」であり、 後者の場合が「・ゲームマスターに〈ゲーム性〉構築の“楽しみを与える”ために、不完全な部分を残しておく 」であると考えられます。 ちなみに、GDが手を抜いてGMすらそれを放棄した場合、PLが勝手にそれを設定して遊ぶというゲームになります(苦笑)。 あれは酷かった(遠い目)。 閑話休題。 この場合の「不完全な部分」というのは「そのままでは遊べない」という意味の不完全であって、「ルール的に不完全」という意味ではないのではないかなぁとか思ったり思わなかったり。 そもそもGMにもPLにも千差万別十人十色いる中で、GDにおいても通常の、一般の考えなんてものは通用しない概念だよなぁとか思ってみたり。 この人が書いてるように、もしもそこに正解があるのなら、みんなそれに従えば世の中につまらないゲームなんて存在しなくなるよなーとか。 とりあえず「魅力的なものを隠してどうする?」という一文には賛同します。 やっぱりポイントはアピールしないとだめですよね!(笑) おっとまた脱線だ。 話を元に戻すと、ゲームの目標なんてものはどこかで誰かが考えればいい話で、GDが考えなくてはいけない道理なんてないように感じます。 『GD、GM、PLの作業量の和は等しい』 これを前提とするなら、「どのようにゲームを楽しんでほしいか?(ゲーム製作の目標)」によってルールの書き方は変わると思います。 どんな楽しみ方でもできるようにしたいなら、「GDは考えるゲームの目標を露に書かず、GMに丸投げ」すればいいのだし、GDの決めた楽しみ方をして欲しいなら「その目標をきっちりとルールにわかりやすく書いて従うよう促す」ようにすればいいのではないかと。 ま、長々と書いてきた自分の意見をまとめるなら……。 ・不特定多数の人間が楽しめるものを作るためにはゲームに理論は必要。 ・GDは理論という客観的要素をふまえつつ、気合や愛などの主観的要素をとりいれることでゲームを作る。 ・ゲームの目標の有無、ルールや世界設定の詳細さなどは些事であり、『そのゲーム製作の目標(注、ゲームの目標ではない)』に従っていれば、隠れていようが露であろうが、たくさん詳細に書いてあろうが、たった一行しかなかろうが問題はない。 ・『GD、GM、PLの作業量の和は等しい』 ……よくわからない単語が乱舞しててまとまりのない文章だなぁ。 また今度暇なときにでもクリンナップして書き直そうかな? 自分は理屈こねるの好きだからなぁ(笑)。
by phirosu2
| 2007-09-03 13:43
| TRPG雑感
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