【TRPG感想】
先日は自分がGMのインセイン(注1)でした。 シノビガミ、ブラッドムーン、艦これで有名なサイコロフィクションシリーズです。 マルチジャンルホラーRPGと銘打たれており、ゾンビが出てくるパニックホラーから邪神が登場するコズミックホラー、はたまた「一番怖いのは人間」的なサイコホラーまでカバーするゲームです。 今回はサンプルシナリオの「残業」を使ってセッションです。 ただ、感想を書くときにそのままだと紛らわしいので「贄の残業」にしてみました。 ……考えてみるとこのタイトルを最初に言っちゃうとネタバレかなぁ。 でもこれぐらいの情報はPLに公開しておいた方がスムーズなような気もする。 まあとにかく、今回の日記の内容はネタバレになるのでサンプルシナリオをプレイされる予定の方はご注意ください。 ◆キャラクター紹介 ■PC番号:1 名前(PL名):寿高子(トシ・タカコ)(ムク) 性別/年齢/種族:女/38/人間 クラス:ビジネスマン ゲーム的特徴: インセインにはクラスという概念がありません。 一応職業を選ぶと特技が2つ指定されますが、別に表にない職業も指定できるし。 アビリティとかは誰でも何でも取れます。 高子さんはビジネスマンなのに特技の【魔術】が異彩を放っているんだぜ(笑)。 ロール的特徴: 中小IT企業「トラブルインセイン有限会社」のプロジェクトリーダーを務める行き遅れ女子。 基本攻撃の指定特技が【恋】だったり、習得している【魔術】は恋愛系の運気UPだったりと業が深い(笑)。 シナリオ中はダイス目も協力してとにかく酷い目にあっていた。 エピローグで幸せを掴めるかと思ったが……それも幻であった。 ホラーRPGのPC1として、とても素晴らしい働きをしてくれました。 ありがとうございます。 その他: おもしろロールに定評のあるムクさんですが、今回は行き遅れ女子という新ジャンル。 てかムクさんとセッションするたびに「新ジャンル」って言ってる気がする(笑)。 毎回楽しいPCをありがとうございます。 ■PC番号:2 名前(PL名):銅島友悟(ドウジマ・ユウゴ)(了) 性別/年齢/種族:男/30/人間 クラス:WEBデザイナー ゲーム的特徴: そこそこ狂気を得ていたのに、結果的には一つも顕在化せず事なきを得た強運なPC。 ち、つまらん(何)。 情報もそこそこ集めていたのでいい動きでした。 ロール的特徴: 「トラブルインセイン有限会社」のWEBデザイナー。 いつも仕事に追われて疲れきっている。 電話をとるシーンで疲れてる具合が真に迫っていた(笑)。 その他: オンラインでブラッドムーンを遊び、そして今回が初オフラインセッションです。 他の三人に比べるとあまり前に出るキャラではないですが、まあそれは初めてだから当然です。 それでも自分の番ではきっちりロールや行動ができるのでいいPLになりそうです。 ■PC番号:3 名前(PL名):レベッカ・ローレンス(TS) 性別/年齢/種族:女/20/人間 クラス:学生 ゲーム的特徴: 最も周りを見て、動いて、そして自分はちゃっかり使命を達成するキャラでした。 こういうゲームをするとフィロスやTSさんみたいな軍師キャラは輝くんだけど……。 かといって他のPCの本当の使命が予想とあっているとは限らないのが難しいところ(笑)。 不透明なハンドアウトによって苦戦してる感じがしました。 ロール的特徴: 「トラブルインセイン有限会社」に雇われたバイト。 他のPCに比べて若いのできゃぴきゃぴした女子オーラを放っていた。 TSさんすげー。 その他: やはりゲーム勘の鋭いTSさん。 様々な場面でフィロスの抜けていた穴を突っ込んでくれました。 ありがとうございます。 ■PC番号:4 名前(PL名):黒井海斗(クロイ・カイト)(kou) 性別/年齢/種族:男/42/人間 クラス:警備員 ゲーム的特徴: とっても楽しそうでした。 後述しますが、今回のシナリオはPC4が最も特殊な立場です。 そういうロールプレイが大好きなkouさんにやってもらったところ、案の定楽しそうだったのでよかったです。 ロール的特徴: 最初は他人事っぽくふるまうところからの、当事者っぽくなり、最後には狂気が発動して暴れ出す。 各動作がそれっぽくてよかったです。 ゲーム的な動作と演出的な設定をきちんとすり合わせる瞬発力は素晴らしいものがありました。 その他: 恐らく頭の回転が最も早いkouさんです。 秘密があるゲームを大変気に入ってくれたようなのでよかったよかった。 ぜひ次回はGMをお願いします。 ◆粗筋 ■登場フェイズ 中小企業の「トラブルインセイン有限会社」は会社が傾き始めていた。 そんなこともあり、高子たちは翌朝までに仕事を終えなければならないいわゆる修羅場にいた。 そこにふらっと登場する黒井。 警報装置の誤作動により派遣された黒井ですが、あいにくとエレベーターが故障してしまい、出られなくなってしまいました。 そして、仕事に追われつつも恐怖体験が始まります。 ■メインフェイズ 第一サイクルはみんな様子見って感じです。 まあ、初めてのゲームだしね。 会議室から妙なバツ印のついた社員名簿を発見したり、トイレから象の意匠が彫られた鍵を見つけたりします。 レベッカが給湯室を調べると、怪しい人影を見て恐怖判定したり、 それを追いかけた黒井さんも怪しい気配を感じたり。 ただ、二人とも強運で狂気は配れませんでした。 最初の狂気はやはりこの人、高子さんです。 ベランダに一服しに行ったところ、怪しげな黒い影に飛びおりるように促され、背筋がぞくっとします。 公開した狂気は「現実逃避」。 高子さんは嫌な現実から目を逸らし始めました(笑)。 まあ、そんなこんながありつつも小手調べの第一サイクルでした。 第二サイクルに事態は動き始めました。 黒井さんが社長室から社長の日記を見つけます。 そして、黒井さんとレベッカは社員名簿を見て レベッカ「あー、あー、なるほどねー」 黒井「これとこれに印があるってことは……そういうことかー」 2人ともにやにやして楽しそうです。 それに対して、正社員2人組は社長の日記を読み、その内容についてこそこそ相談。 高子「うーん、やっぱりそうだったのね」 銅島「なるほどね。てことは(こそこそ)」 高子「(こそこそ)そうね。きっとそう」 この辺り、全部知ってるGMは楽しいけれどちょっと暇な時間です。 あと、各秘密の公開度合いが違うので、感想が書きづらい(苦笑)。 そして第三サイクル。 社長室の奥に隠されていた部屋に突入する一行。 そこには社長一族が代々信仰している「ちゃぐなる明神」なるものが奉られていました。 祭壇にあった彫像を手にしたとき、黒井さん(と銅島さん)の脳内に声が聞こえてきたりしますが、あえて2人はその情報を秘匿。 まあ、ショックがあるんであえて明かさないことはありですよ。あり。 ■クライマックスフェイズ 仕事も佳境になり、あと少しというところで、突然社長室から象頭人身の化け物が登場します。 なんとここで全員が恐怖判定に失敗し、残り山札が3枚(注2)というピンチっぽい状態に。 いざ戦闘を始めますが、PCたちは「ちゃぐなる明神」は殺せないと判断。 逃げの一手に行動を絞ります。 ただ、この逃げる判定がどきどきでした。 高子さんがダイスを振ると…… 高子「よし、逃げるわよっ。(ころころ→3)あれ?」 レベッカ「タカコさん、一緒に逃げて合コン行きまショ! お守り使用です」 高子「ありがとう、レベッカ!(ころころ→2)あれれ?」 黒井「うわ、ファンブルはまずい! それ振り直して!」 レベッカ「じゃあ、最後のお守りデス!」 高子「ありがとうありがとう! あなた本当はいい子だったのね(注3)。(ころころ→3)ええぇぇ?!」 レベッカ「もうお守りありませン……」 黒井「うーんー(悩)」 高子「もう、いいのよ。わたしのことは置いていって。一回や二回なら攻撃受けても死なないし」 銅島「ここで死なれても困るんで。お守り使用します」 高子「ありがとう! ……今度こそ(ころころ→8)やった!!」 一同「ふ~~(安堵)」 そんな一幕がありつつ、全員ちゃぐなる明神から逃げることができました。 ■エピローグ こんなとんでもない会社にいられるか、ということで高子と銅島も会社を離れる決意を。 それぞれのPCのやりたいことをまとめていったら……なんか変な感じに(笑)。 高子「わかったの。わたしの運命の人は黒井さん、あなただったの」 高子「だってほら、こんなに胸がドキドキしてる」 GM「それは吊り橋効果っていうんじゃ……」 黒井「(何か考えた後)実はわたしも、一目会ったときから高子さんのことが……」 高子「黒井さん(はあと)」 黒井「ただ、この怪しげな彫像を始末しなくてはならない。明日、成田で会いましょう」 高子「ええ、約束しましょうっ」 レベッカ「あー、わたしは帰りマース。散々でしたネ」 銅島「俺もこの会社からは離れるかな。まあ、伝手はあるし」 ここからはネタバレと後日談です。 この会社は社長が先祖代々崇めていたちゃぐなる明神に守られて何度も倒産の危機を乗り越えていました。 しかしそのためには生贄が必要なのでした。 今回の生贄に選ばれたのは高子と銅島でした。 ただ今回、ご神体が持ち去られてしまい、ちゃぐなる様の加護を失った会社は倒産。 社長は行方不明に。 「このままにしてはおけない」と言っていた高子の想いはちょっと形は違いますが叶うことに。 銅島は実は産業スパイで、この会社の秘密を調べていたのでした。 ちゃぐなる明神について報告することで、クライアントは満足気に頷いたのでした。 レベッカの秘密は、彼女が霊が見えるということ。 彼女はこの会社が尋常ではないことを最初から知っていたのでした。 さっさと逃げ出したいところを巻き込まれてしまったという感じ。 そして黒井さん。 彼が警備員だというのは嘘です。 実は泥棒で、会社に金目のものがないか侵入してきたのでした。 その結果、彫像を見つけ、まんまとくすねることに成功。 高子からのプロボーズも適当に流して高飛びをするのでした。 めでたしめでたし……?? ◆反省と考察 ロール:4点 ゲーム:4点 ストーリー:3点 ボーナス:4点 ロールはみんなノリノリだったので+1点。 オフセ初の了さんもきちんとロールプレイやっていたしね。 ゲームもなかなか面白かった。 使命と秘密ってのは、ちょっと複雑だけど、それなりに面白いね。 あと時間もコンパクトに終わったのでよかった。 ストーリーは……普通、かなぁ。 可もなく不可もなくって感じだよね。 ホラーシナリオだから気持ちよく大団円って感じではなかったけど、バッドエンドでもないし、3点で。 ボーナスはいつも通り。 新しいゲームができたことに+1点。 ○良かった点 ・インセイン初プレイ。 ・kouさんがノリノリだった。 ○悪かった点 ・システムやシナリオの読み込みがまだまだ甘かったかなー。 では個別解説。 ・インセイン初プレイ。 よし、目標達成まであと2つだ。 頑張るぞ。 ・kouさんがノリノリだった。 元々こういうPLに情報格差のあるゲームが好きなkouさんなので、乗ってくるとは思ったが、予想以上に楽しそうだった。 ハンドアウトの決め打ちが功を奏したのだろう。 やはりkouさんはああいう「他のPCとは違う背景を持っているキャラ」をやると楽しそうになるね。 それが卓全体を楽しませることにつながるかどうかはともかく(苦笑)。 今回はそれがいい方向に働いたと思うので「良かった点」に。 ・システムやシナリオの読み込みがまだまだ甘かったかなー。 初めてのシステムだから仕方ないっちゃ仕方ないが。 ゲームを初めてからPLに突っ込まれて解答する部分がいくつかあった。 自分では十分だったつもりでもまだまだだったなぁ。 今回はちょっとバタバタしていたのでサンプルシナリオを使って、ルールブックを片手にマスタリングした。 表とか独特なものはきちんと別表とかに書き起こしたのだけれど、シナリオ自体は「ルールブックのままだしいいか」とやらなかった。 でも、やはりサンプルシナリオだとしても、一度別の紙に書き起こすとかしないと「自分のシナリオ」として回すのは難しいなー。 時間がなかったとはいえ、次回は心がけてみよう。 というわけで前から気になっていたインセインのプレイができました。 他のTRPGにはない独特な空気感がなかなか新鮮で面白かったです。 こういうのも簡単に回せるようになれるように、いくつかシナリオを自分で書いてみるかなぁ。 今度はPLになって狂気にひいひい言ってみたいので、ぜひ誰かGMよろしくお願いします(笑)。 (注1)インセイン:冒険企画局が出しているマルチジャンルホラーRPG。 「使命と秘密」というシノビガミから受け継いだシステムを搭載。 ただ、シノビガミと違ってニンジャというフレーバーがないのでフィロス的には少しこちらのほうが扱いやすい感じ。 なかなかいい手ごたえだったのでもう一度ぐらいやりたいなー。 公式HPはこちら。 http://www.bouken.jp/pd/san/ (注2)残り山札3枚:このゲームの象徴的ギミックである狂気は裏向きのカードの束=山札から配られる。 この山札がなくなると、強制ゲームオーバーになるので注意が必要だ。 第一、第二サイクルが順調だったので「狂気カード入れすぎたかな」と思ったが、結果的にはちょうどよかったというお話。 (注3)本当はいい子だったのね:レベッカはゲーム中に感情判定によって高子と感情を結んでいる。 感情にはプラスとマイナスがあり、マイナスの感情は足を引っ張るため協力型シナリオではPC同士は普通とらない。 だが、しかし、ここでも狂気が猛威をふるっていた。 レベッカ「わたしたし、仲良しですねー」 高子「そうね。今度合コン一緒に連れて行ってあげるわ」 レベッカ「ありがとございますー。……あ、狂気のトリガー満たしてた」 GM「ふむふむ? 『暴露』言わなくていいことを言ってしまい、シーンに登場しているPCからマイナスの感情を持たれる、と」 レベッカ「聞いたことありますよー。合コンって、若さが大事なんですヨネ(悪気なし)」 高子「……そうねー、あんたは若いからいいかもしれないわねー」 といった具合で高子がとったプラス感情はマッハでマイナス感情に書き変わっていたのでした(笑)。 それをふまえた上で、クライマックスの高子の「本当はいい子だったのね」になるのだ。
by phirosu2
| 2014-11-15 19:26
| インセイン
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