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生誕祭の夜に
【TRPG感想】
先日はソウさんがGMのカオスSC(注1)でした。

年を超える前になんとか感想だけは書かないと!
ということで、12月頭にやったカオスセッション。
色々と懸念はあったけれども、慣れ親しんだPL同士の「らしさ」が出て非常に楽しいセッションでした。






◆キャラクター紹介
■PC番号:1
名前(PL名):早瀬小次郎(ハヤセコジロウ)(TS)
性別/年齢/種族:男/15歳/地球人
クラス:聖戦士/フォーリナー(切り札)
ゲーム的特徴:
今回はサンプルキャラを50点分の経験点で成長したキャラクターをGMが準備した中からチョイス(注2)。
時間があれば特技を入れ替えてもよいというレギュレーション。
TSさんはその場でキャラを見て、早速ぐりぐりキャラをいじりはじめ、
GMが作ってたキャラよりも攻撃力を増したキャラクターに変更。
「聖戦士らしい」聖戦士になってました。

ロール的特徴:
地球から召喚され、マーキュリー(注3)という力を得て、仲間の危機を幾度となく助けて有頂天になっているキャラ。
しかし力に溺れてしまい周りが見えなくなっている。
そんなところからスタート。
今回のセッションで正しい力の使い方を覚え、そして覚醒して戻るというストーリーを自分で作ってました。

最初は本当に「こいつなんとかしないと」的な痛い子だったのですが、
最後にはきちんと良い子になって帰って行きました。

鉄のラインバレルの主人公が元ネタとは本人談。

その他:
TRPGを遊ぶのは久しぶりというTSさんのリビドーがつまったキャラ、というと言いすぎか(笑)。
GMの用意した物語と自分のやりたい物語をすり合わせながらストーリーを作ってPC1をこなすのはさすがだなぁと。
ベテランにして七色のロールを持つTSさんらしいふるまいでした。

■PC番号:2
名前(PL名):榎本夏希(エノモトナツキ)(きゆ)
性別/年齢/種族:女/16/地球人
クラス:星詠み/フォーリナー(アヴァタール)
ゲーム的特徴:
フォーリナーのブランチは4つ、攻撃の切り札、支援の協力者、防御の装着者、そして万能のアヴァタールがある。
星詠みは本来支援キャラだが、さすがに50点もあると攻撃もできるようになっていた。
そして彼女が攻撃できなければ、恐らく誰かが倒れていた可能性があった。
いやあ、いい成長といいチョイスでした。

ロール的特徴:
こちらはPC1の小次郎とは違い、順当なフォーリナー。
オリジンに来て世話になった人がピンチなので助けにいくというストーリー。
献身的に他人を支援する女の子でした。

その他:
実はカオスフレアは初めてのきゆさん。
初めてなのに50点という少なくはない経験点をつぎ込んだキャラで多少は大変だったようです。
でもまあ、FEARのシステムには慣れてるおかげですぐになじめたようです。
彼女の理解力吸収力もさることながら、FEARフォーマット(注4)の強力さはこういうときに垣間見えるなぁ、なんて思いました。

■PC番号:3
名前(PL名):ラングマイト=セッツァー(フィロス)
性別/年齢/種族:男/300歳ぐらい/アムルタート
クラス:光翼騎士/アムルタート(プレデター)
ゲーム的特徴:
サンプルキャラの時点でよくできた突き返し型光翼(注5)でした。
そいつをさらに強化したタイプだったので、ゲーム中非常に楽しく突き返せました。
今回ボス戦で雑魚がたくさんいたりしたのも、聖戦士以外に見せ場を作るGMの工夫だったのかなー?

ロール的特徴:
他の2人が主人公属性をもったフォーリナーだったので、こちらはそれに対応する形で保護者属性をもったキャラクターに。
まぁ、言うまでもなくフィロスの得意分野なので自然にできました。

……当初はもうちょっとハードボイルドにするつもりだったのですが結局クライマックスではPC1に熱い説教をしてしまったので、ハードボイルドは難しいなぁと思った次第。

その他:
今回はゲーム外の部分で色々動いたりしてました。
その理由と成果はおしまいの考察にでも。

◆粗筋
■オープニング
小次郎は、マーキュリーをふるってまた一体ダスクフレアを屠ります。
しかし、その戦いで仲間たちは傷つき、守ったはずのエニア三世に注意されてしまう。
それでも「俺が守ってやってるんだ」とか切り返す痛い子(笑)。
エニア三世から「あなた、最低です」と突き放されて、反発して神炎同盟を飛び出しちゃう無軌道な若者。

その先でとある雪山に入り、正体不明の化け物(でかい猿みたいな感じ)の群れに襲われ、
なんとか撃退するも体力不足で倒れてしまい、今回のヒロインのメアリに助けられる。

GMの用意したのは雪山のシーンだけだが、その前にエニア三世に責められるシーンを自分で作ったあたりから、すでにTSワールドは始まっていたのだった(笑)。

夏希は、オリジンに来た当時世話になったテオフラトゥス博士(以下テオ博士)が久しぶりにとある雪山の町にいると聞いて、会いに行く。

セッツァーは、何度か仕事を共にしていた仲間がある雪山の町で行方不明になったと聞いて、気になって探索に行く。

そしてPCたちは雪山の中にあるフローライトの町に集まったのだった。

■ミドル
基本的には小次郎とメアリの心の交流を描くミドルシーン。

メアリが暮らしている雪山の森の中の小屋にはテオ博士と2人っきりだとか、
小屋の周りには雪が降っているにも関わらず一年のあらゆる季節の花が咲いているだとか、
森の中には化け物がいるはずなのに、メアリはそのことを一切知らないだとか、
メアリは森の外のことを一切知らないだとか
メアリが作ったスープを飲むときになぜか「何かに気づけるか」判定をさせられるとか
不自然なことが盛りだくさんありつつも
「まあ、ファンタジー世界だからな!」「いざとなったらなんとかできるし」と自己完結してスルーする小次郎。

そんな中、メアリが森の外を知りたいというので、テオ博士が小屋を開けている隙に森の外の町に行く2人。
森の外、フローライトの町で初めての人ごみや初めての買い物に目を輝かせるメアリ。

ほぼ同時刻。
夏希やセッツァーは互いの知人を探して情報収集しているうちに、
町の外れに「時の止まった呪われた森」というものがあることを知る。
なんでもその森に入ったものは二度と戻ってこれないのだと。

同時に、テオ博士がいつも買い物に来るけど町のどこにも住んでないという情報もあったんだがPCが「じゃあ森に住んでいるんじゃ」というと「馬鹿いうでねぇ。あの森に人なんか住めるわけがない!」と決まりきった文句を返してくれるいいNPC(笑)ばかりでした。

そして、町に3人が集まったとき、突然森の中から化け物の群れが町を襲い始めます。

GM的には夏希に向けたチュートリアル戦闘だったようなのですが、なんと小次郎1人でこれを撃破。

GM「ま、まさか1人に全部やられるなんて」
小次郎の中の人「あれー? ここで失敗して挫折しようかと思ってたんだけど……」
セッツァーの中の人「うーん、どうしたもんかねぇ(笑)」

夏希やセッツァーもシーンの外で化け物を退治していた(注6)ことにして、化け物対策本部に集まるPCたち。
ちなみにこの時点でメアリはテオ博士に見つかって怒られないよう、いったん小屋に返している。

集まって町の識者たちと情報を調べると、なんとメアリはすでに死亡していることが発覚。
小次郎や夏希は反対するが、セッツァーは状況証拠から呪いの森の中にいるであろうテオ博士が怪しいと主張。
反対する2人に「なら確かめに行けばいいだろう」と森への進軍を提案。

そしてクライマックスへ。

■クライマックス
呪いの森へと行く3人。
周囲に張りつめる化け物の殺気を感じながら、小屋へと到着するとテオ博士が待っていました。

彼が言うには、死んだ孫を蘇らせるためにデミウルゴスの力を借りてダスクフレアになったこと。
復活の実験台に奇妙な魂を持った化け物や呪いの森ができたこと。
その結果、メアリの復活はできたがその魂は完全ではなく、定期的に「同じ形の魂」を摂取しなければいけないことなどを告白しました。

告白の中で、セッツァーの知り合いはスープの具にされてオープニングで食されていたことが明らかに。
セッツァーは「俺たちはいつ死んでもおかしくない生き方をしているんだ」と流しましたが、
小次郎は「おええぇぇ、とんでもないもん食わせやがって」とダメージを受けてしまう。
スープを飲むときの判定はこれに気付くかどうかだったのでした。

告白が終わる頃、小屋の扉が静かに開いてメアリが出てきます。

テオ博士「おお、もう食事の時間かい。ちょうどいい。今目の前のものたちで食事を作るからね」

優しい笑顔を浮かべ、メアリに近づくテオ博士。
しかし、次の瞬間テオ博士は腹を食い破られて地に倒れる。
殺気立つPCたちを前に獣のようなスピードで森に逃げ込むメアリ。
その手や口は老人の血がべったりとついていました。

メアリを追う小次郎とセッツァー。
夏希は少しだけ残り、テオ博士の最期を看取ります。
テオ博士はメアリが魂を維持できずに暴走していることを告げ、後を夏希に託して言切れる。
テオ博士が死ぬと同時に、彼のプロミネンスで維持されていた花々も同時に枯れて崩れていくのでした。

森の中で、先行した小次郎はメアリを見つけました。
さっきまでの獣の雰囲気はなく、手や服が汚れていることを嫌がって泣きじゃくるメアリ。
ほっとした顔で無防備に近づく小次郎。
小次郎が近づいた瞬間、メアリは獣の本性をむき出しにして襲いかかってきます!
しかし、そこにセッツァーが割り込む。
小次郎はセッツァーに助けられたことに驚き、今の攻防でセッツァーが右腕を失ったことに言葉を失います。
今まで全てを自分1人で守り、全てを自分1人で倒してきた小次郎にとって、自らを犠牲にしてまで小次郎を守るセッツァーの行動は理解できないものだったのです。

小次郎「な、なんで?」
セッツァー「いいか。光翼騎士は守ることが仕事だ。お前は聖戦士のお前にしかできないことをやれ」
セッツァー「あの子を救うことができるのはお前だけだ」
セッツァー「集中しろ! 守りや支援は任せろ! お前は救え!」

セッツァーの想いを受けて、小次郎は今までの自分を顧みます。
他人を信頼することを学んだ小次郎に、新たな力が溢れてきます。
それは仲間から受け取ったフレアの力を最大限発揮する《虹色の希望》!(注7)

遅れていた夏希も合流し、セッツァーもドラゴンに変身して戦闘開始です!

今回は時間管理に重きを置いていたせいか、ソウさんにしては弱めなダスクフレアでした。
2回ぐらい戦術ミスったと自覚したタイミングがあったのですが、それでもリソースを残して勝てたので。
もしかしたら、ソウさんの成長させたキャラクターの出来が良すぎたってのもあるのかもしれませんね(笑)。

メアリは倒れ、魂が形を保てずに崩れようとしたとき、小次郎は黄金のフレアを放出し、それを防ぎます。
それは聖戦士だけが持っている、願いを叶える奇跡の力。
彼が願ったのは「メアリの記憶を全て無くし、元の人の魂に戻すこと」。

セッツァー「それでいいのか」
小次郎「ああ。……セッツァー、1つ頼んでいいか。俺とこの子を宝永まで運んでほしい」
セッツァー「お安い御用だ」

■エンディング
宝永へと飛んでいってしまった2人(とメアリ)。
残った夏希が町人へ事情を説明します。
しかし、全ての真実は語らず。
「テオ博士を探しに行ったとき、すでに博士は化け物に殺されていた。化け物はカオスフレアが協力して全て倒した。森の呪いも消えた」
博士の死後の誇りはこうして守られたのでした。

小次郎は宝永に戻り、エニア三世の保護下にある戦災孤児院にメアリを預けます。
戻ってきた小次郎を見て、エニア三世は何かが変わったと指摘しますが、
小次郎は「そんなことはない。昔から俺はこうだったよ」と返し、
無邪気に遊ぶメアリを遠くから見つめるのでした。

セッツァーは、仲間と言っていた馴染みのバーで1人で2つの杯を傾け、仲間の死を悼むのでした。

◆反省と考察
ロール:4点
ゲーム:3点
ストーリー:4点
ボーナス:5点

うん、突発でやった割には面白かった!
ではでは、良かった点と悪かった点を列挙。

●よかった
・ロール前のすりあわせをひたすら行っていた。
特に小次郎やってたTSさん。
「ひとりよがりな主人公」→「そのせいで失敗」→「諭されて立ち直り、新たな力に目覚める」
というプロセスをあらかじめ共有することで周りの理解と協力を得られたんだなーと。

各シーン始まる前とか台詞を言う前に
「こう言ったらこうなるから、こうもってきたいんだよね」
「じゃあ、それはこっちでこう言うよ」
みたいな相談を何度も何度も行っていたのが印象的。

GMに余裕があれば、こういう相談とかPC側からの物語提案はどんどんしていくべきだと思う。
そうすることでGMの吟遊詩人化も防げるしね。

・GMの工夫
今回のセッション、毎回吟遊詩人になるソウさんにしては珍しく
「50点サンプルを準備」「チュートリアル戦闘」「時間を強く意識したシーン運び」などなど。
様々な工夫が見られた。
これは今までフィロスの周りでセッションしていたGMにはあまりない、とても良い素晴らしい成長だったと思う。
多分、そういう工夫をしていたからこそ、突然当日に提案されたTSさんの物語も吸収できたのかなーなんて。

●悪かった
・セッション前に色々言い過ぎた?
今回のセッション、実は最初はフィロスがGMをやるつもりで日程調整していた。
そんなときソウさんから
「システムは決まってないけどシナリオはできました! 自分がGMできますよ!」
なんてメールが。
見たときに、本当に失礼な話だが
「ああ、またソウさんが吟遊詩人なGMをやろうとしている」
「『システム決まってないのにシナリオできた』なんて、どんだけ自分のシナリオに酔ってるんだ」
「なんとかしないと、このままでは絶対に楽しいセッションはできない」
なんて思った。

その結果、セッション前に今までのセッションでソウさんが陥りがちだった弱点を指摘。
返信してきた言葉に不安があったら、「まだ。まだ工夫が足りない」とさらに指摘。
戻ってきた言葉に不安があったら「まだまだ。足りない」とさらにさらに指摘。

結果的に楽しいセッションになったけれども、
ソウさんはきっといい気分じゃなかっただろうなーと(苦笑)。

今回のセッションにフィロスの指摘がどこまで影響したのか、
今度ソウさんに聞いてみようかなぁ?

・初カオスのPC2をおいてきぼりにしてしまった。
これは、まぁ、自分だけじゃなくてTSさんもだよな。
クライマックスの小次郎を説得するシーンで、
夏希がテオ博士のところにいるのをいいことに2人っきりで盛り上がるシーンを作ってしまった。
本来ならばああいうシーンにはPC全員がいることが望ましいはず。

カオスベテランなら当然割り込んでくるシーンだが、
きゆさん曰く「フィロスとTSさんのロールがすごすぎて割り込むタイミングを失った」とのこと。

卓の足並みを揃えるべきPC3としては、ちと反省すべき動きだったよなー。



かなり面白いセッションだったので、
反省点もレベルの高い反省点のように感じるなぁ。
なんかこう、感想書いていて今回のセッションは目指すべき「神の卓」に近い気がしたぞ。
今年最後にして、よいものができた。

……え? もう一本あるの?





(注1)カオスSC:カオスフレアSecondChapterの略称。
みんな大好きフレアシステム搭載。
みんな大好き膨大なデータ量。
そして、PLのことをわかってる公式サポート。

やはり素晴らしいシステムなんだが、リプレイが少ないのは出版社の都合なのだろうか?
世界観が多様すぎてリプレイ向かないのかなぁ?

(注2)成長したサンプルキャラをチョイス:ちなみに、GMの準備期間は3日間。
その間に聖戦士サンプル2通り、星詠みサンプル2通り、光翼騎士サンプル2通りの計6体の50点成長キャラを準備していた。
本人曰く「前から成長するならこうかなーって考えてたので、案外簡単でしたよ」とのこと。

いかにソウさんがデータ面に強いかを物語っているエピソードでした。
まぁ、それをその場で改変してさらに強くするTSさんもきもいんだけどさ(笑)。

(注3)マーキュリー:フォーリナーは地球からオリジンという異世界に召喚された少年少女のこと。
彼らは皆マーキュリーという武器をどこからか手に入れる。
それこそがフォーリナーの力の源であり、他の誰にも真似できない彼らだけの力なのだ。

(注4)FEARフォーマット:もちろん全てのゲームではないが、ここ数年FEARが協力して作成されているルールには同様の意味を持つ用語が多い。
シーン、ラウンド、メインプロセスなどなど。
用語を統一することで初めてのルールでもすぐに理解できることがFEARフォーマットの強みだとフィロスは考えている。

(注5)突き返し型光翼:突き返しとはカオスSCでいう反撃のこと。
敵の攻撃のタイミングで相手にダメージを与えられるので非常に協力。
まぁ、その分他のことできなくなるんだけどね。

うまくやるととっても強い良い気分になれる。

(注6)シーン外で化け物を退治:GM的にはPCたちが活躍して町の人たちから頼られる展開を予想してそうだった。
なので、夏希は怪我人たちを治療したりしていた。
セッツァーは演出なのをいいことに、小次郎が漏らした全ての化け物を相手に町を守っていたとか偉そうな演出に。
もちろん、小次郎のPLであるTSさんが「小次郎だけでは町を守り切れなかった」という印象を作りたそうだったので、演出したのだ。
べ、別にセッツァーの活躍シーンが作れなくて悔しかったわけじゃないんだからねっ。

(注7)《虹色の希望》覚醒:キャラメイク時からTSさんが狙っていた演出。
本当にTSさんはデータとロールをからめたプレイがうまいと思う。
見習わなきゃなー。

by phirosu2 | 2010-12-31 13:20 | カオスフレアSC | Comments(0)
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